冬うらら2
□
『何をしてるんだ!』
着信するなり、ケイタイからはソウマの強い声。
2人だけでは、いろいろ不都合があるに違いないので、打ち合わせには同席すると言っていたのだ。
カイトには、ただのデバガメ根性にしか見えなかったが。
現地集合だったのに、一向にカイトたちはこない。
きっと、さっきからさんざん電話をかけつづけていたのだろう。
彼が、ベッドの中で憎み続けるほど長く。
「今日は、行かねぇ…勝手に何でも決めろ」
不機嫌な声で、パジャマの上着に袖を通した。
他に身につけているのは、下着だけだ。
だが、机のところに長居をする気はなかった。
毛布の中で、わたわた慌ててパジャマを探している彼女の元に戻り始める。
しかし、その毛布がピタリと動きを止めた。
そぉっと、驚いた顔を隙間から覗かせる―― きっと、さっきのカイトのセリフが、予想外のものだったのだろう。
もう、今日はどこにも行かねぇ。
カイトは、ケイタイを取る前に、既にそう決めてしまっていた。
昨日まで。
我慢して我慢して、本当に身体に悪いほどの我慢をしたのだ。
その1週間分のストレスは、たかが一夜で精算出来るものではなかった。
しかも。
ムッ。
カイトは、更なる不機嫌を募らせた。
しかし、とりあえずは電話の相手の方から、先に片づけなければならなかった。
『ほぉ…来ないつもりか…本当にそれでいいんだな?』
覚悟は出来ているんだろうな、という意味を言外に含んでいる。
要するに、ソウマたちで勝手に決めてもいいのか、と脅しているのだ。
『何をしてるんだ!』
着信するなり、ケイタイからはソウマの強い声。
2人だけでは、いろいろ不都合があるに違いないので、打ち合わせには同席すると言っていたのだ。
カイトには、ただのデバガメ根性にしか見えなかったが。
現地集合だったのに、一向にカイトたちはこない。
きっと、さっきからさんざん電話をかけつづけていたのだろう。
彼が、ベッドの中で憎み続けるほど長く。
「今日は、行かねぇ…勝手に何でも決めろ」
不機嫌な声で、パジャマの上着に袖を通した。
他に身につけているのは、下着だけだ。
だが、机のところに長居をする気はなかった。
毛布の中で、わたわた慌ててパジャマを探している彼女の元に戻り始める。
しかし、その毛布がピタリと動きを止めた。
そぉっと、驚いた顔を隙間から覗かせる―― きっと、さっきのカイトのセリフが、予想外のものだったのだろう。
もう、今日はどこにも行かねぇ。
カイトは、ケイタイを取る前に、既にそう決めてしまっていた。
昨日まで。
我慢して我慢して、本当に身体に悪いほどの我慢をしたのだ。
その1週間分のストレスは、たかが一夜で精算出来るものではなかった。
しかも。
ムッ。
カイトは、更なる不機嫌を募らせた。
しかし、とりあえずは電話の相手の方から、先に片づけなければならなかった。
『ほぉ…来ないつもりか…本当にそれでいいんだな?』
覚悟は出来ているんだろうな、という意味を言外に含んでいる。
要するに、ソウマたちで勝手に決めてもいいのか、と脅しているのだ。