冬うらら2

 ソファに、4人揃った日曜の午後―― 天気は薄曇り。

 雪でも降りそうな、寒い日。

 招待状の準備を早くするために、プランを決めるよりも先に日時と場所だけを決定していたらしい。

 カイトは、本当に式関係にはノータッチだったので、よくは分からない。

 分かるのは。

 この2人の、笑顔から想像するに。

 相当なプランが出来上がった、ということだろう。

「それでね、ちょっとどうしても2人で行ってもらわなきゃいけないところがあって…カイト君は、忙しいでしょうけど、何とか数時間折り合いをつけてね」

 にこにこ。

 笑顔のハルコが、チラシを差し出す。

 結婚式関係のものにしては、ちょっと地味に感じる、そのコピーしたようなチラシに、カイトは目をやった。

「私たちが挙式した教会で、あなたたち2人も挙式の予定なんだけど……そこでね、これを受講してきて欲しいの」

『結婚講座のご案内』

 チラシのタイトルは、それだった。

 結婚講座ぁ????

 カイトは、その聞いたこともない四文字熟語を見つめたまま、疑問符のカタマリになった。

 タイトルの下に並んでいる、小さな文字を読もうとするのだが、宗教用語らしい漢字やカタカナが最初に目に入ってしまって、全然主旨が掴めない。

 しかし、言葉だけを聞くならば、まるで結婚に関する勉強をしにいくところのような。

「私たちの時も、ちょっと急だったから、この教会が一番よかったのよ。講座を受けるのが、2回でいい教会なんて、まずそうはないもの。普通は、最低でも3回。長いところになると6回で、1ヶ月以上通わないといけないのよ」

 ハルコは、その講座とやらの内容の説明もせずに、当たり前のような口調でどんどん話を進めていく。

 もしかして、分かっていないのは自分だけなのかと思って、焦りながらちらっと横目でメイを見ると、彼女もきょときょと、まばたきをしていた。
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