冬うらら2
☆
別に浮気をしたとか、ハルコをないがしろにしたということではな―― いや、結果的にはないがしろにしたのだろう。
彼女のことを、信じすぎていた。
ではなく。
彼女のことを見くびっていた、の方が正しいか。
『遠く離れていても、ずっと2人の心はつながってるさ、ハハン』
男は、そんなロマンチストで、厄介な生き物だったのだ。
だから、少々ハメを外しても度を超しても、ずっと昔から刻んできた時間に、ヒビ一つ入るものかと思っていた。
だから彼は、密林の中に幻の植物を探しに行ったりという、どこかの特番のような真似ばかりしていたのだ。
そのジャングルで、綺麗な宝石の原石を拾って。
これは、ハルコへのおみやげにしようと、予定よりも大幅に遅れて帰国してみれば。
彼女の部屋のドアは、固く閉ざされたままで、ソウマに向かって開くことはなかったのだ。
大ショックだった。
これまで、他の誰よりも当たり前のように開かれていたドアが、叩いても呼んでもダメなのである。
天の岩戸よりも、強力だった。
電話も、すぐ切られてしまう。
何故、そんなに彼女が怒っているのか、理由さえ聞かせてくれないのである。
放浪癖ならいつものことじゃないか、何故今回に限って―― ソウマは、不思議でしょうがなかった。
しかし、同時に一番の危機感を感じていた。
ここでしくじったら、一生彼女を失うのではないかと。
それくらいの本気を、ハルコから感じていた。
分かりやすく、スネたり甘えたりする性格ではないということは知っていた。
物わかりがよく、出来るだけ感情のコントロールを、しようと努力しているのも。
きっと。
それが全部積み重なって、爆発してしまったのだろう。
別に浮気をしたとか、ハルコをないがしろにしたということではな―― いや、結果的にはないがしろにしたのだろう。
彼女のことを、信じすぎていた。
ではなく。
彼女のことを見くびっていた、の方が正しいか。
『遠く離れていても、ずっと2人の心はつながってるさ、ハハン』
男は、そんなロマンチストで、厄介な生き物だったのだ。
だから、少々ハメを外しても度を超しても、ずっと昔から刻んできた時間に、ヒビ一つ入るものかと思っていた。
だから彼は、密林の中に幻の植物を探しに行ったりという、どこかの特番のような真似ばかりしていたのだ。
そのジャングルで、綺麗な宝石の原石を拾って。
これは、ハルコへのおみやげにしようと、予定よりも大幅に遅れて帰国してみれば。
彼女の部屋のドアは、固く閉ざされたままで、ソウマに向かって開くことはなかったのだ。
大ショックだった。
これまで、他の誰よりも当たり前のように開かれていたドアが、叩いても呼んでもダメなのである。
天の岩戸よりも、強力だった。
電話も、すぐ切られてしまう。
何故、そんなに彼女が怒っているのか、理由さえ聞かせてくれないのである。
放浪癖ならいつものことじゃないか、何故今回に限って―― ソウマは、不思議でしょうがなかった。
しかし、同時に一番の危機感を感じていた。
ここでしくじったら、一生彼女を失うのではないかと。
それくらいの本気を、ハルコから感じていた。
分かりやすく、スネたり甘えたりする性格ではないということは知っていた。
物わかりがよく、出来るだけ感情のコントロールを、しようと努力しているのも。
きっと。
それが全部積み重なって、爆発してしまったのだろう。