冬うらら2
☆
「さて、それじゃ失礼するか」
ソウマは、立ち上がった。
今日は、何もカイトをキレさせる必要はないのだ。
それよりも、素晴らしい爆弾のスイッチを、ソウマが握っているのである。
「あら、そうね」
ハルコも、この切り札の存在は知っている。
多少、プライバシーの侵害にはなるのかもしれないが、じっくり2人でどうするか吟味してしまった。
素直に行くなら、これはメイに渡すべきだった。
が。
「あ、カイトにちょっと話があるから、玄関まで送ってもらっていいか?」
彼らが帰ることに気づいて、ホッとしたカイトの隙間に、そんな針を刺した。
少し真面目な雰囲気を匂わせれば、彼の性格上、ついて来ずにはいられないということを知っていたのだ。
メイ1人だけを残して、彼らは部屋を出たのだった。
「話って?」
階段を下りながら、短気なカイトが聞いてくる。
早く戻りたいに違いなかった。
それに苦笑しながら、最後の1段になってから、懐からジョーカーを取り出す。
「玄関に落ちてたぞ」
後ろも振り返らずに、肩越しにそれを差し出した。
受け取られる感触がして、ソウマは手を離す。
その後、しばらくはカイトの足音はついてきた。
歩調がだんだんゆっくりになり、夫婦との距離が離れていくのが分かる。
きっと、いまそのジョーカーを見ているのだ。
「さて、それじゃ失礼するか」
ソウマは、立ち上がった。
今日は、何もカイトをキレさせる必要はないのだ。
それよりも、素晴らしい爆弾のスイッチを、ソウマが握っているのである。
「あら、そうね」
ハルコも、この切り札の存在は知っている。
多少、プライバシーの侵害にはなるのかもしれないが、じっくり2人でどうするか吟味してしまった。
素直に行くなら、これはメイに渡すべきだった。
が。
「あ、カイトにちょっと話があるから、玄関まで送ってもらっていいか?」
彼らが帰ることに気づいて、ホッとしたカイトの隙間に、そんな針を刺した。
少し真面目な雰囲気を匂わせれば、彼の性格上、ついて来ずにはいられないということを知っていたのだ。
メイ1人だけを残して、彼らは部屋を出たのだった。
「話って?」
階段を下りながら、短気なカイトが聞いてくる。
早く戻りたいに違いなかった。
それに苦笑しながら、最後の1段になってから、懐からジョーカーを取り出す。
「玄関に落ちてたぞ」
後ろも振り返らずに、肩越しにそれを差し出した。
受け取られる感触がして、ソウマは手を離す。
その後、しばらくはカイトの足音はついてきた。
歩調がだんだんゆっくりになり、夫婦との距離が離れていくのが分かる。
きっと、いまそのジョーカーを見ているのだ。