冬うらら2
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休日出勤をする気などなかった。
ただでさえ、平日の仕事の時は、離れていなければならないのだ。
ようやく仕事が、書類関係から開発の方になったからよかったものの、それでも6時になった瞬間、カイトはがたっとコンピュータの前から立ち上がってしまうのだ。
後ろ髪が引かれないワケではない。
こうしている間に、納期がじわじわと近づいてくる。
すぐに、開発室は戦場の様相を呈してくるだろう。
しかし。
もう少しだけ。
せめて、家に絶対メイがいるという、存在への安心感が得られるまでは、早く彼女に会いたかった。
こんな気持ちであるということは、誰にも知られたくない。
自分がどうかしたのではないかと、何度となく思った。けれども、その衝動を止めることは出来ないのだ。
しかし、肝心の仕事をないがしろにすれば、彼女を食わせていくことさえ出来なくなる。
その責任感については、はっきりと理解していた。
前と違って、働くことに目的が出来た。
前は、面白ければそれでよかった。
けれども、これからは、メイを幸せにする一つの手段にしたかったのだ。
だからカイトは、家でも会社と同じように仕事が出来るよう―― 必要な機材の一部を持ち帰ってきたのだ。
まあ仕事のことは、今は置いておくとして。
週末については、メイに全部くれてやっても惜しくない、ということだ。
「何かあったのか?」
しかし、見えないことがある。
その理由だ。
週末の半日を、彼女はいったい何に使いたいのかということを、まだ聞いていなかった。
「あ、忙しいならいいの…お仕事で疲れてる休みの日だし」
カイトの質問を、どう取ったのか。
彼女は、あわてて両手をパタパタ振って、今の話をナシにしてしまおうとした。
そうじゃねぇ!
ダンッ、と。
あわや、食卓を拳で叩きそうになる。
すんでで、踏みとどまった。
休日出勤をする気などなかった。
ただでさえ、平日の仕事の時は、離れていなければならないのだ。
ようやく仕事が、書類関係から開発の方になったからよかったものの、それでも6時になった瞬間、カイトはがたっとコンピュータの前から立ち上がってしまうのだ。
後ろ髪が引かれないワケではない。
こうしている間に、納期がじわじわと近づいてくる。
すぐに、開発室は戦場の様相を呈してくるだろう。
しかし。
もう少しだけ。
せめて、家に絶対メイがいるという、存在への安心感が得られるまでは、早く彼女に会いたかった。
こんな気持ちであるということは、誰にも知られたくない。
自分がどうかしたのではないかと、何度となく思った。けれども、その衝動を止めることは出来ないのだ。
しかし、肝心の仕事をないがしろにすれば、彼女を食わせていくことさえ出来なくなる。
その責任感については、はっきりと理解していた。
前と違って、働くことに目的が出来た。
前は、面白ければそれでよかった。
けれども、これからは、メイを幸せにする一つの手段にしたかったのだ。
だからカイトは、家でも会社と同じように仕事が出来るよう―― 必要な機材の一部を持ち帰ってきたのだ。
まあ仕事のことは、今は置いておくとして。
週末については、メイに全部くれてやっても惜しくない、ということだ。
「何かあったのか?」
しかし、見えないことがある。
その理由だ。
週末の半日を、彼女はいったい何に使いたいのかということを、まだ聞いていなかった。
「あ、忙しいならいいの…お仕事で疲れてる休みの日だし」
カイトの質問を、どう取ったのか。
彼女は、あわてて両手をパタパタ振って、今の話をナシにしてしまおうとした。
そうじゃねぇ!
ダンッ、と。
あわや、食卓を拳で叩きそうになる。
すんでで、踏みとどまった。