冬うらら2
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ただ曖昧に笑って、彼にコーヒーのマグカップを渡す。
何でもできそうな長い指が、すっとその青いカップを持って。
ちっちゃくて不器用な自分の手で、白いマグカップを持つ。
向かい合わせに座って。
そう思うだけで、顔がニコニコになってしまいそうなのを、ぐっと我慢する。
慌てて、紅茶に口をつけた。
ちょうどいい温度の紅茶―― さっき、きっとカイトを見ている間に、魔法の薬でも入れられたみたいに、すごくおいしい。
カイトのコーヒーにも、魔法がかかっていればいいのに。
すごくおいしいと感じてもらえたら、きっと彼女にまたコーヒーをいれて欲しいと思ってくれるだろう。
そんな、ささやかなことでも、彼にとって必要とされたかった。
別に。
やっぱり。
何も話す言葉はない。
でもメイは、カイトに向けて全神経を開いていた。
彼が洩らす吐息の一つさえ、敏感に感じるくらい。
静かだけれども、幸せな瞬間。
ピンポーン
そんな空気を―― チャイムが破った。
誰か、お客が来た証拠だった。
同時に、二人の間の空気も崩れる。
ただ曖昧に笑って、彼にコーヒーのマグカップを渡す。
何でもできそうな長い指が、すっとその青いカップを持って。
ちっちゃくて不器用な自分の手で、白いマグカップを持つ。
向かい合わせに座って。
そう思うだけで、顔がニコニコになってしまいそうなのを、ぐっと我慢する。
慌てて、紅茶に口をつけた。
ちょうどいい温度の紅茶―― さっき、きっとカイトを見ている間に、魔法の薬でも入れられたみたいに、すごくおいしい。
カイトのコーヒーにも、魔法がかかっていればいいのに。
すごくおいしいと感じてもらえたら、きっと彼女にまたコーヒーをいれて欲しいと思ってくれるだろう。
そんな、ささやかなことでも、彼にとって必要とされたかった。
別に。
やっぱり。
何も話す言葉はない。
でもメイは、カイトに向けて全神経を開いていた。
彼が洩らす吐息の一つさえ、敏感に感じるくらい。
静かだけれども、幸せな瞬間。
ピンポーン
そんな空気を―― チャイムが破った。
誰か、お客が来た証拠だった。
同時に、二人の間の空気も崩れる。