冬うらら2
02/07 Mon.
●65
少し―― 変わった。
メイは、そう感じた。
何がどうと、言われると困るのだ。
彼女でさえ、漠然としか感じていないことで。
でも、昨日までと、確かに雰囲気が違うような気がする。
彼女とカイトの関係だ。
この間、一緒にお墓参りに行った。
いろんなことがあった。
でも、すべてがメイにとっては、幸せなことばかりで。
また、いくつもカイトを好きになった。
その気持ちは、いつになったら一番上までたどりつけるのだろうか。
もう何百段も、階段を上っているような気がするのに。
少し。
前より、近くなったというのだろうか。
透明な薄いシートが、つるんと一枚はがれたような、そんな距離感。
こうして、一緒に結婚講座を受けていて、ただ隣に座っているだけなのに、前よりもっと安らげるような気がした。
彼といると、いままでは余りにドキドキの方ばかりが先行してしまって、うまく自分の思う通りの行動や言葉が出てこなかった。
でも、いまは少しだけ。
ほんの少しだけ、心臓の音がやわらかになっている。
今日のお話で、メイが泣くようなことはなかった。
けれども、ほんのちょっとカイトにもたれてみる。
背広の布地の感触に触れて、身体を預けようとしたら。
カイトの腕が、ぐいと自分の方へと引き寄せてくれた。
嬉しい。
すり寄るように身体を預けて、彼女は幸せのため息をついた。
今日で、結婚講座は終わりだ。
そして、あと1週間で結婚式だった。
セーターももう少し。
あと少し。
きっと、今夜カイトが仕事に戻っている間には完成する。
今夜―― プレゼントできるかな。
少し―― 変わった。
メイは、そう感じた。
何がどうと、言われると困るのだ。
彼女でさえ、漠然としか感じていないことで。
でも、昨日までと、確かに雰囲気が違うような気がする。
彼女とカイトの関係だ。
この間、一緒にお墓参りに行った。
いろんなことがあった。
でも、すべてがメイにとっては、幸せなことばかりで。
また、いくつもカイトを好きになった。
その気持ちは、いつになったら一番上までたどりつけるのだろうか。
もう何百段も、階段を上っているような気がするのに。
少し。
前より、近くなったというのだろうか。
透明な薄いシートが、つるんと一枚はがれたような、そんな距離感。
こうして、一緒に結婚講座を受けていて、ただ隣に座っているだけなのに、前よりもっと安らげるような気がした。
彼といると、いままでは余りにドキドキの方ばかりが先行してしまって、うまく自分の思う通りの行動や言葉が出てこなかった。
でも、いまは少しだけ。
ほんの少しだけ、心臓の音がやわらかになっている。
今日のお話で、メイが泣くようなことはなかった。
けれども、ほんのちょっとカイトにもたれてみる。
背広の布地の感触に触れて、身体を預けようとしたら。
カイトの腕が、ぐいと自分の方へと引き寄せてくれた。
嬉しい。
すり寄るように身体を預けて、彼女は幸せのため息をついた。
今日で、結婚講座は終わりだ。
そして、あと1週間で結婚式だった。
セーターももう少し。
あと少し。
きっと、今夜カイトが仕事に戻っている間には完成する。
今夜―― プレゼントできるかな。