冬うらら2
☆
「おめーらは必要ねぇだろ!」
怒鳴ったカイトに、ノンノンと指を左右に振ってやった。
どうしても、彼ら夫婦を邪魔者にしたいらしいが、そうはいかない。
今日は、本番さながらの予行演習なのだ。
本当は、式の前日に行うのだが、明日は日曜日。
既に別の結婚式の予定が入っているので、教会の方の都合が悪かった。
その日曜日の結婚式のリハーサルが午後から入っているので、彼らは空いていた午前中に、スケジュールをねじこんだのだ。
日程の話を持ちかけた時、神父に。
『あなたたちの時も、ちょっと強引でしたが…今度は、更に強引な日程ですね』
そう、微笑まれてしまった。
今度のカップルの方が、遙かにとんでもない問題児―― ということは、神父には言わなかったが。
いろんな細かな苦労を、出血サービスで手伝ってやっているにも関わらず、カイトはちっとも感謝する気配がない。
最初から迷惑だったのは知っているし、いいものを見せてもらえるワケだから、その点については目をつぶっているのだが。
「悪いな…オレは、ベストマン。ハルコは、メイドオブオーナーだぞ。参加しなくてどうする」
どうせ、分からないだろう。
それを知っていながら、彼は専門用語を口にした。
カイトの知っている専門用語など、オタク世界でしか通用しないようなものばかりに違いない。
案の定、彼はうっと黙り込んだ。
カイトという生き物は、知らないものを素直に知らないと言えない人種である。
しかも、メイの前である。
無知なところも、披露したくないに違いない。
「結婚式当日に、いろんな身の回りの世話をする人のことよ。あとは、結婚式の証人でもあるの」
ああ。
ソウマは、眉を動かした。
ハルコが、さっさと答えをバラしてしまったのだ。
もうちょっと、煮立たせてもいいと思っていたのに。
「おめーらは必要ねぇだろ!」
怒鳴ったカイトに、ノンノンと指を左右に振ってやった。
どうしても、彼ら夫婦を邪魔者にしたいらしいが、そうはいかない。
今日は、本番さながらの予行演習なのだ。
本当は、式の前日に行うのだが、明日は日曜日。
既に別の結婚式の予定が入っているので、教会の方の都合が悪かった。
その日曜日の結婚式のリハーサルが午後から入っているので、彼らは空いていた午前中に、スケジュールをねじこんだのだ。
日程の話を持ちかけた時、神父に。
『あなたたちの時も、ちょっと強引でしたが…今度は、更に強引な日程ですね』
そう、微笑まれてしまった。
今度のカップルの方が、遙かにとんでもない問題児―― ということは、神父には言わなかったが。
いろんな細かな苦労を、出血サービスで手伝ってやっているにも関わらず、カイトはちっとも感謝する気配がない。
最初から迷惑だったのは知っているし、いいものを見せてもらえるワケだから、その点については目をつぶっているのだが。
「悪いな…オレは、ベストマン。ハルコは、メイドオブオーナーだぞ。参加しなくてどうする」
どうせ、分からないだろう。
それを知っていながら、彼は専門用語を口にした。
カイトの知っている専門用語など、オタク世界でしか通用しないようなものばかりに違いない。
案の定、彼はうっと黙り込んだ。
カイトという生き物は、知らないものを素直に知らないと言えない人種である。
しかも、メイの前である。
無知なところも、披露したくないに違いない。
「結婚式当日に、いろんな身の回りの世話をする人のことよ。あとは、結婚式の証人でもあるの」
ああ。
ソウマは、眉を動かした。
ハルコが、さっさと答えをバラしてしまったのだ。
もうちょっと、煮立たせてもいいと思っていたのに。