冬うらら2
☆
「それにベストマンは、当日結婚指輪を預かる大事な役割もあるのよ」
ね。
ハルコの微笑みに、ソウマもにこっと笑った。
そうなのだ。
指輪は、彼の手にゆだねられるのである。
すると。
とんでもない―― と言わんばかりの睨みが、カイトから飛んできた。
メイの方も、ぱっと自分の左手を隠すような素振りさえ見せる。
どうやら、指輪を外したくないようだった。
「おいおい」
何度も言うが。
今日は、本番さながらのリハーサルなのだ。
だから、指輪の交換も練習するのである。
それなのに、外すのがイヤだ、はないだろう。
2人の視線にさらされると、ソウマは自分が悪者にされたような気がした。
だが、問題のある反応だった。
気持ちが、指輪でつながっているとでも思っているのだろうか、この2人は。
そんなものはなくても、思いがしっかりしていれば。
なるほど。
心当たった。
まだ彼らは、心がしっかりつながっている気になっていないのだ。
だから、指輪を外されることが、不安に思えるのだろう。
指輪なんかなくても、誰もこの2人の間を壊すことなんか出来そうにないというのに。
お前が、もっとしっかりしろ。
カイトの方に、一瞬だけ睨みをきかす。
ガンでも、つけられたと思ったのだろう。
ますます、彼の表情が険しいものになった。
アイコンタクトは、昔から不調な関係だったが、やはり未だにカイトと通じ合うことは出来ないようだ。
「それにベストマンは、当日結婚指輪を預かる大事な役割もあるのよ」
ね。
ハルコの微笑みに、ソウマもにこっと笑った。
そうなのだ。
指輪は、彼の手にゆだねられるのである。
すると。
とんでもない―― と言わんばかりの睨みが、カイトから飛んできた。
メイの方も、ぱっと自分の左手を隠すような素振りさえ見せる。
どうやら、指輪を外したくないようだった。
「おいおい」
何度も言うが。
今日は、本番さながらのリハーサルなのだ。
だから、指輪の交換も練習するのである。
それなのに、外すのがイヤだ、はないだろう。
2人の視線にさらされると、ソウマは自分が悪者にされたような気がした。
だが、問題のある反応だった。
気持ちが、指輪でつながっているとでも思っているのだろうか、この2人は。
そんなものはなくても、思いがしっかりしていれば。
なるほど。
心当たった。
まだ彼らは、心がしっかりつながっている気になっていないのだ。
だから、指輪を外されることが、不安に思えるのだろう。
指輪なんかなくても、誰もこの2人の間を壊すことなんか出来そうにないというのに。
お前が、もっとしっかりしろ。
カイトの方に、一瞬だけ睨みをきかす。
ガンでも、つけられたと思ったのだろう。
ますます、彼の表情が険しいものになった。
アイコンタクトは、昔から不調な関係だったが、やはり未だにカイトと通じ合うことは出来ないようだ。