冬うらら2
☆
いつものワガママが出たか―― と思いきや、ハルコがちらっと目くばせを送ってくる。
何か、ソウマに伝えようとするのだ。
ん?
しっかりと、カイトの全身を目に映した。
そうして、視線を動かす。
生意気な顔。
↓
白いセーター。
↓
ジーンズ。
↓
スリッパ。
↑
ジーンズ。
↑
白いセーター。
↑
生意気な顔。
↓
白いセ―――
おお!!!!
ソウマは、ようやくそこで視線を止めた。
ちょっと時間がかかったが、ハルコが何を言いたいのか気づいたのである。
もしかして、これが噂の手編みのセーターか、と思ったのだ。
噂、と言っても彼ら夫婦の間だけでの話だった。
メイが、バレンタインプレゼントに、内緒でセーターを編んでいるということを、妻が楽しそうに話してくれたのだ。
ただし、しっかりと口止めされたが。
何度となく、カイトに言ってやりたい衝動にかられたものの、いままで彼はぐっと我慢してきた。
その白いセーターを、いま彼は着込んでいるというのである。
ほっほぉ。
それは、着替えたくないワケだ。
「どれを着ていくか決めた? そういえば、この間買ったあの黄緑のドレスはどう? ちょっと寒いかしら?」
ハルコは、そんな白いセーターにしがみついている新郎落第生よりも、新婦を綺麗に着飾る方に興味があるらしい。
いつものワガママが出たか―― と思いきや、ハルコがちらっと目くばせを送ってくる。
何か、ソウマに伝えようとするのだ。
ん?
しっかりと、カイトの全身を目に映した。
そうして、視線を動かす。
生意気な顔。
↓
白いセーター。
↓
ジーンズ。
↓
スリッパ。
↑
ジーンズ。
↑
白いセーター。
↑
生意気な顔。
↓
白いセ―――
おお!!!!
ソウマは、ようやくそこで視線を止めた。
ちょっと時間がかかったが、ハルコが何を言いたいのか気づいたのである。
もしかして、これが噂の手編みのセーターか、と思ったのだ。
噂、と言っても彼ら夫婦の間だけでの話だった。
メイが、バレンタインプレゼントに、内緒でセーターを編んでいるということを、妻が楽しそうに話してくれたのだ。
ただし、しっかりと口止めされたが。
何度となく、カイトに言ってやりたい衝動にかられたものの、いままで彼はぐっと我慢してきた。
その白いセーターを、いま彼は着込んでいるというのである。
ほっほぉ。
それは、着替えたくないワケだ。
「どれを着ていくか決めた? そういえば、この間買ったあの黄緑のドレスはどう? ちょっと寒いかしら?」
ハルコは、そんな白いセーターにしがみついている新郎落第生よりも、新婦を綺麗に着飾る方に興味があるらしい。