冬うらら2
☆
わざわざ自分のメイクセットを、家から持参した気合いの入れようである。
それから、細々したアクセサリーなんかも。
気の利かないカイトと、ゼイタクをしないメイでは、そういうものを持っていないだろうということを、ちゃんと分かっているのだ。
出来た妻である。
そうして、あれよあれよという間に、彼女を連れ出してしまった。
「客間の方で準備をするわね。カイトくんの方は、よろしく」
最後の置きみやげはそれで。
部屋の方は気兼ねなく使っていいから、ソウマに残った方を任せた、と言っているのである。
ただでさえ、一筋縄ではいかない男を二階に連れて行き、なおかつ、この愛のセーターをへっぱがせというのだ。
猫に鈴をつけに行けと言われるよりも、もっと難しく過酷な作業だった。
バタン。
華やかな、女性陣がいなくなってしまうと。
色気もへったくれもない、男2人が残されることとなった。
さて、と。
ソウマは、この新郎落第生を、立派に卒業させなければならない使命があるのだ。
せいぜい、お手柔らかにしてやろう、と思いながら。
「さぁ、さっさとその服を脱いで、一張羅に着替えてこい。セーターじゃ、彼女のドレスとは釣り合わないだろう?」
わざと素知らぬ風に、セーターを軽く指でつまもうとした瞬間。
「触んな!!!」
バシッッッ!
怒鳴り声つきで、思い切りその手が払われる。
ガルルルルルルル。
『野生のエルザ』でも読んで、彼の生態を勉強しなければいけないようだった。
まずは、群れに慣れさせるところから、か。
わざわざ自分のメイクセットを、家から持参した気合いの入れようである。
それから、細々したアクセサリーなんかも。
気の利かないカイトと、ゼイタクをしないメイでは、そういうものを持っていないだろうということを、ちゃんと分かっているのだ。
出来た妻である。
そうして、あれよあれよという間に、彼女を連れ出してしまった。
「客間の方で準備をするわね。カイトくんの方は、よろしく」
最後の置きみやげはそれで。
部屋の方は気兼ねなく使っていいから、ソウマに残った方を任せた、と言っているのである。
ただでさえ、一筋縄ではいかない男を二階に連れて行き、なおかつ、この愛のセーターをへっぱがせというのだ。
猫に鈴をつけに行けと言われるよりも、もっと難しく過酷な作業だった。
バタン。
華やかな、女性陣がいなくなってしまうと。
色気もへったくれもない、男2人が残されることとなった。
さて、と。
ソウマは、この新郎落第生を、立派に卒業させなければならない使命があるのだ。
せいぜい、お手柔らかにしてやろう、と思いながら。
「さぁ、さっさとその服を脱いで、一張羅に着替えてこい。セーターじゃ、彼女のドレスとは釣り合わないだろう?」
わざと素知らぬ風に、セーターを軽く指でつまもうとした瞬間。
「触んな!!!」
バシッッッ!
怒鳴り声つきで、思い切りその手が払われる。
ガルルルルルルル。
『野生のエルザ』でも読んで、彼の生態を勉強しなければいけないようだった。
まずは、群れに慣れさせるところから、か。