冬うらら2
□
ただ。
気になることが一つあった。
メイだ。
朝の落ち着かない様子を見ると、どうしても心配になってしまう。
こうして、カイトが仕事している間に、何事か起きるのではないか、と。
うぅ。
背に腹は、代えられなかった。
カイトは、非常にハラの立つことではあるが―― 彼女を、両親に預けたのだ。
仕事が終わったら、迎えに来る、と。
大丈夫だから、などと言おうとするメイだったが、最終的には彼の気迫に押されたのか、その件を飲み込んでくれた。
ふぅ。
しかし、多少は気が楽になったのは確かだ。
「社長…」
苦笑して現れたのはチーフで。
やれやれ、という表情を隠しきれない様子だった。
ギロリと、睨み上げる。
出社した件についての言及はするな、という暗黙の威嚇だった。
ちゃんと理解しているらしく、彼は何も言うことなく、現在の進行状況の報告を始めた。
「万事、順調ですよ。けれど、ギリギリまで慎重にチェックする予定にしています」
発売されてから、バグが見つかっては遅いので。
周囲を見渡すような動きを見せたので、カイトもつられて顎を動かした。
ヨレヨレの、背広を着ている人間もいる。
会社に泊まりこんでいるのだ。
こざっぱりした格好をしているのは、家が近くの人間だけ。
あとは。
「ねぇねぇ、見てー!! ミニゲームで最高得点が出たのー! ほらほら!」
相変わらず。
カイトは、目を細めた。
ハナは、健在だった。
「あっ、シャチョー!! 披露宴の招待状ください~~~~!!」
そして―― まだあきらめていなかった。
ただ。
気になることが一つあった。
メイだ。
朝の落ち着かない様子を見ると、どうしても心配になってしまう。
こうして、カイトが仕事している間に、何事か起きるのではないか、と。
うぅ。
背に腹は、代えられなかった。
カイトは、非常にハラの立つことではあるが―― 彼女を、両親に預けたのだ。
仕事が終わったら、迎えに来る、と。
大丈夫だから、などと言おうとするメイだったが、最終的には彼の気迫に押されたのか、その件を飲み込んでくれた。
ふぅ。
しかし、多少は気が楽になったのは確かだ。
「社長…」
苦笑して現れたのはチーフで。
やれやれ、という表情を隠しきれない様子だった。
ギロリと、睨み上げる。
出社した件についての言及はするな、という暗黙の威嚇だった。
ちゃんと理解しているらしく、彼は何も言うことなく、現在の進行状況の報告を始めた。
「万事、順調ですよ。けれど、ギリギリまで慎重にチェックする予定にしています」
発売されてから、バグが見つかっては遅いので。
周囲を見渡すような動きを見せたので、カイトもつられて顎を動かした。
ヨレヨレの、背広を着ている人間もいる。
会社に泊まりこんでいるのだ。
こざっぱりした格好をしているのは、家が近くの人間だけ。
あとは。
「ねぇねぇ、見てー!! ミニゲームで最高得点が出たのー! ほらほら!」
相変わらず。
カイトは、目を細めた。
ハナは、健在だった。
「あっ、シャチョー!! 披露宴の招待状ください~~~~!!」
そして―― まだあきらめていなかった。