冬うらら2
□
「それじゃあ…あ、カイト」
新婦控え室に行きかけたソウマが、ふっと足を止めて戻ってくる。
いやに神妙な表情だ。
「新郎の心得を、ひとつ」
などと、手袋をした人差し指を立てる。
かつて、ここで結婚式を挙げた先輩新郎様から、ありがたいご訓辞があるらしい。
結婚式なんかやったこともないカイトは、その雰囲気に引っ張られて、思わず耳を傾けた。
彼の知らない、新郎の作法などがあるのだろうか。
「……『誓いのキス』の時に、舌は入れるな」
時が―― 止まった。
カチ。
コチ。
カチコチ。
ドガーン!
カイトの蹴りが炸裂した。
「それじゃあ…あ、カイト」
新婦控え室に行きかけたソウマが、ふっと足を止めて戻ってくる。
いやに神妙な表情だ。
「新郎の心得を、ひとつ」
などと、手袋をした人差し指を立てる。
かつて、ここで結婚式を挙げた先輩新郎様から、ありがたいご訓辞があるらしい。
結婚式なんかやったこともないカイトは、その雰囲気に引っ張られて、思わず耳を傾けた。
彼の知らない、新郎の作法などがあるのだろうか。
「……『誓いのキス』の時に、舌は入れるな」
時が―― 止まった。
カチ。
コチ。
カチコチ。
ドガーン!
カイトの蹴りが炸裂した。