冬うらら2
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あっ。
そんなカイトの早い心臓が、ビクッと反応する光景があった。
次に踏み出した一歩で、彼女の身体が横に傾いだのだ。
慣れない靴のせいで、バランスを崩したのである。
危ない、とカイトが身体を動かしかけた直後。
ぎゅっと。
メイが、ぎゅっとソウマの腕にしがみつくことで、転ぶのをこらえたのだった。
父親代理の方も、最初から分かっていたかのように、いかにもスマートに支えて見せる。
まるで。
彼ら二人の様子こそが、新郎新婦のようにさえ見える瞬間。
ブチブチッッッ!!!
限界だった。
もう、耐えられなかったのだ。
あの役は、自分のものだ。
ほかの誰にも、絶対に代わらせたくなかったのである。
カイトは。
ヴァージンロードを、猛スピードで逆走した―― 教会始まって以来の新郎となったのだった。
あっ。
そんなカイトの早い心臓が、ビクッと反応する光景があった。
次に踏み出した一歩で、彼女の身体が横に傾いだのだ。
慣れない靴のせいで、バランスを崩したのである。
危ない、とカイトが身体を動かしかけた直後。
ぎゅっと。
メイが、ぎゅっとソウマの腕にしがみつくことで、転ぶのをこらえたのだった。
父親代理の方も、最初から分かっていたかのように、いかにもスマートに支えて見せる。
まるで。
彼ら二人の様子こそが、新郎新婦のようにさえ見える瞬間。
ブチブチッッッ!!!
限界だった。
もう、耐えられなかったのだ。
あの役は、自分のものだ。
ほかの誰にも、絶対に代わらせたくなかったのである。
カイトは。
ヴァージンロードを、猛スピードで逆走した―― 教会始まって以来の新郎となったのだった。