冬うらら2
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いや、違う。
ヒツジの色を気にしているのは、カイトの方だ。
彼女は、白いヒツジの上着も黒いヒツジの上着も、どちらも暖かいと言うかもしれない。
しかし、カイトは真っ白な上着を着せかけたかった。
周囲の人間が見ても明らかに、幸せに見えるようにしたかったのだ。
頭の中を、色違いのヒツジが猛スピードで駆け抜ける中、しかし、時間だけはきっちりと律儀に進んでいく。
「あなたは、病めるときも、健やかなときも、豊かなるときも、貧しきときも、この男性を愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命の限り、かたく節操を守ることを誓いますか?」
誓うに決まってんだろ!!!
カイトは、即答で怒鳴りたい心をぐっとこらえた。
これを答えるのは、彼の役目ではないのだ。
2秒か。
それとも、5秒か。
それともそれとも―――――
「誓います…」
不覚にも。
鼻先が、ツンとした。
今すぐ、抱きしめたかったのに。
いや、違う。
ヒツジの色を気にしているのは、カイトの方だ。
彼女は、白いヒツジの上着も黒いヒツジの上着も、どちらも暖かいと言うかもしれない。
しかし、カイトは真っ白な上着を着せかけたかった。
周囲の人間が見ても明らかに、幸せに見えるようにしたかったのだ。
頭の中を、色違いのヒツジが猛スピードで駆け抜ける中、しかし、時間だけはきっちりと律儀に進んでいく。
「あなたは、病めるときも、健やかなときも、豊かなるときも、貧しきときも、この男性を愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命の限り、かたく節操を守ることを誓いますか?」
誓うに決まってんだろ!!!
カイトは、即答で怒鳴りたい心をぐっとこらえた。
これを答えるのは、彼の役目ではないのだ。
2秒か。
それとも、5秒か。
それともそれとも―――――
「誓います…」
不覚にも。
鼻先が、ツンとした。
今すぐ、抱きしめたかったのに。