冬うらら2
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彼が身体をかがめたので、再びカイトを見ることが出来た。
まだ。
彼は、メイを見ていた。
さっきとまったく同じ驚いた顔のまま。
横から、すっとハルコの細い指が伸びてくる。それが、モヤを揺らした。
ふわっと、まるで風に押し流されるようにモヤは消え、視界がクリアになる。
何の邪魔もなく、はっきりとカイトが見えた。
どうリアクションしていいか分からないまま、立ちつくしていると。
その空気を破るように、ソウマが手を二度ほど打ち鳴らした。
はっと我に返る。
カイトの瞳も、同じように自分を取り戻した。
「さあて、新郎新婦さんたち…打ち合わせに入ろうか」
よどみないソウマの強引な笑顔に気を取られて、彼女はしっかりと言葉を聞き取ることが出来なかった。
いま―― 何と言ったのか?
彼が身体をかがめたので、再びカイトを見ることが出来た。
まだ。
彼は、メイを見ていた。
さっきとまったく同じ驚いた顔のまま。
横から、すっとハルコの細い指が伸びてくる。それが、モヤを揺らした。
ふわっと、まるで風に押し流されるようにモヤは消え、視界がクリアになる。
何の邪魔もなく、はっきりとカイトが見えた。
どうリアクションしていいか分からないまま、立ちつくしていると。
その空気を破るように、ソウマが手を二度ほど打ち鳴らした。
はっと我に返る。
カイトの瞳も、同じように自分を取り戻した。
「さあて、新郎新婦さんたち…打ち合わせに入ろうか」
よどみないソウマの強引な笑顔に気を取られて、彼女はしっかりと言葉を聞き取ることが出来なかった。
いま―― 何と言ったのか?