冬うらら2
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「はい、よろしくね」
ハルコが近づいてきたかと思うと、シュウはカメラを受け取っていた。
折しも、式場は指輪の交換という進行の流れで、アナウンスが『カメラマンの方は…』と言い終えた直後だった。
「これは…?」
既に、ソウマがカメラを片手に前に駆けつけようとしているのが、シュウの目の端に見えた。
だから、疑問だったのだ。
ハルコが何故、カメラを彼に渡そうとするのか。
撮影ならばソウマが行っているのだから、わざわざ同じ家庭から、もう1人参加する意義はないように思えたのだ。
「いいから撮ってきてもらえないかしら? 角度が違うと、写真の出来映えも違うでしょう?」
にっこり。
不合理な申し出だったが、別に断る理由もない。
シュウはカメラを片手に、前の方に進み出た。
角度が違えば、と言われたので、あえて正面に陣取っているソウマとは、違う角度になるような位置に立つ。
ふむ、よいカメラですね。
ソウマが、カメラをいくつも持っているのは知っている。
その中の一つだろう。
彼はよく、植物絡みでいろんな国に出かけていた。
最初の頃は、その時に撮影してきた植物の写真を、いろいろ見せられたものだった。
途中からは、そんな誘いもかからなくなったが。
カイトもシュウも、植物に対してさしたる興味がなかったせいだろう。
しかし、最近その関係で外国に飛んだという話は聞かなくなった。
彼も結婚してから、自分の人生を変えた人間の1人なのだろうか。
結婚。
自分のしたいことを制限されるような女性とは、そういう関係にならない方がいいようですね。
シュウは、周囲の喧噪も気にせず、ただ必要に応じて黙々とシャッターを切りながら、そんなことを考えていたのだった。
「はい、よろしくね」
ハルコが近づいてきたかと思うと、シュウはカメラを受け取っていた。
折しも、式場は指輪の交換という進行の流れで、アナウンスが『カメラマンの方は…』と言い終えた直後だった。
「これは…?」
既に、ソウマがカメラを片手に前に駆けつけようとしているのが、シュウの目の端に見えた。
だから、疑問だったのだ。
ハルコが何故、カメラを彼に渡そうとするのか。
撮影ならばソウマが行っているのだから、わざわざ同じ家庭から、もう1人参加する意義はないように思えたのだ。
「いいから撮ってきてもらえないかしら? 角度が違うと、写真の出来映えも違うでしょう?」
にっこり。
不合理な申し出だったが、別に断る理由もない。
シュウはカメラを片手に、前の方に進み出た。
角度が違えば、と言われたので、あえて正面に陣取っているソウマとは、違う角度になるような位置に立つ。
ふむ、よいカメラですね。
ソウマが、カメラをいくつも持っているのは知っている。
その中の一つだろう。
彼はよく、植物絡みでいろんな国に出かけていた。
最初の頃は、その時に撮影してきた植物の写真を、いろいろ見せられたものだった。
途中からは、そんな誘いもかからなくなったが。
カイトもシュウも、植物に対してさしたる興味がなかったせいだろう。
しかし、最近その関係で外国に飛んだという話は聞かなくなった。
彼も結婚してから、自分の人生を変えた人間の1人なのだろうか。
結婚。
自分のしたいことを制限されるような女性とは、そういう関係にならない方がいいようですね。
シュウは、周囲の喧噪も気にせず、ただ必要に応じて黙々とシャッターを切りながら、そんなことを考えていたのだった。