冬うらら2
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招待状が来ていた―― 鋼南電気の社長からだ。
シンは、封筒の差出人を眺めていた。
年下だが、面白いソフトを作ることで有名な男である。
ついでに言うと、同業者の中には、彼をよく思っていないところも多い。
彼の、強引な経営手腕が問題らしい。
賛否両論、はっきり別れる男だ。
仕事柄、何度か顔を合わせているが、別段シンと問題が起きたことはなかった。
それどころか、静かな態度での対応ばかりだ。
ライセンスの件で鋼南の本社にも訪問したが、会社全体もいい活気に満ちていた。
そんなところから、おそらく会社の立場上の義理ではあったろうが、招待状が届いた。
相棒は、『別に無理して出る必要はありませんよ』と言ったが、イヤだとも思わなかったので、出席することにした。
普通は、披露宴だけ呼ばれるものだったが、式にも呼ばれていたので、彼は教会に現れたのだ。
締め慣れない白いネクタイの自分を、鏡で見た時、違和感は禁じ得なかった。
しかし、それはきっと周囲の男たちは皆そうだろう。
日常で、締める色ではないのだから。
式は、とどこおりなく終わった。
違うところと言えば、普通と比べてやや騒がしかったくらいか。
しかし、シンにとっての事件は、その後で起きた。
「雪…か」
冷えると思ったら、風がうなるようにしてそれを連れてきたのだ。
雪の日に、1人の女と別れたことを思い出す。
招待状が来ていた―― 鋼南電気の社長からだ。
シンは、封筒の差出人を眺めていた。
年下だが、面白いソフトを作ることで有名な男である。
ついでに言うと、同業者の中には、彼をよく思っていないところも多い。
彼の、強引な経営手腕が問題らしい。
賛否両論、はっきり別れる男だ。
仕事柄、何度か顔を合わせているが、別段シンと問題が起きたことはなかった。
それどころか、静かな態度での対応ばかりだ。
ライセンスの件で鋼南の本社にも訪問したが、会社全体もいい活気に満ちていた。
そんなところから、おそらく会社の立場上の義理ではあったろうが、招待状が届いた。
相棒は、『別に無理して出る必要はありませんよ』と言ったが、イヤだとも思わなかったので、出席することにした。
普通は、披露宴だけ呼ばれるものだったが、式にも呼ばれていたので、彼は教会に現れたのだ。
締め慣れない白いネクタイの自分を、鏡で見た時、違和感は禁じ得なかった。
しかし、それはきっと周囲の男たちは皆そうだろう。
日常で、締める色ではないのだから。
式は、とどこおりなく終わった。
違うところと言えば、普通と比べてやや騒がしかったくらいか。
しかし、シンにとっての事件は、その後で起きた。
「雪…か」
冷えると思ったら、風がうなるようにしてそれを連れてきたのだ。
雪の日に、1人の女と別れたことを思い出す。