冬うらら2
□
唖然。
カイトは、何が起きたのかすぐには分からなかった。
しかし、チビすけが口にした『BADIA』は、KO-NANが作っているRPGゲームのタイトルである。
その攻略でも聞きたかったのか、それとも何か自慢したかったのか―― どうやら、そのどちらからしい。
クッ。
少し遅れたが、分かった瞬間にカイトは笑ってしまった。
いくら子供とは言え、大した度胸だ、と思ったからだ。
この特殊な雰囲気の中だというのに、まったくそれを気にせずにゲームの話などを切り出せるのである。
「あっ、あのね…ユウちゃんはね、すごくゲームが好きで…前に話したかもしれないけど…」
赤い顔をしたまま。
ウェディングドレス姿であることを、一瞬忘れてしまったかのように、メイまでも興奮してそんなことを言い出す。
だが。
「はい、ちょっと化粧をお直ししましょうね」
メイクを担当が入ってきたかと思うと、忙しそうな声で、彼女の言葉をさえぎった。
慌てて、新婦は口を閉じたのである。
そして。
連れていくなと言いたかったのに―― ついたての向こう側に、彼女を奪われてしまった。
必要ないだろうに、ハルコまで覗きに行ってしまって
何が面白くて、ソウマと2人で置き去りにされなければならないのだろうか。
唖然。
カイトは、何が起きたのかすぐには分からなかった。
しかし、チビすけが口にした『BADIA』は、KO-NANが作っているRPGゲームのタイトルである。
その攻略でも聞きたかったのか、それとも何か自慢したかったのか―― どうやら、そのどちらからしい。
クッ。
少し遅れたが、分かった瞬間にカイトは笑ってしまった。
いくら子供とは言え、大した度胸だ、と思ったからだ。
この特殊な雰囲気の中だというのに、まったくそれを気にせずにゲームの話などを切り出せるのである。
「あっ、あのね…ユウちゃんはね、すごくゲームが好きで…前に話したかもしれないけど…」
赤い顔をしたまま。
ウェディングドレス姿であることを、一瞬忘れてしまったかのように、メイまでも興奮してそんなことを言い出す。
だが。
「はい、ちょっと化粧をお直ししましょうね」
メイクを担当が入ってきたかと思うと、忙しそうな声で、彼女の言葉をさえぎった。
慌てて、新婦は口を閉じたのである。
そして。
連れていくなと言いたかったのに―― ついたての向こう側に、彼女を奪われてしまった。
必要ないだろうに、ハルコまで覗きに行ってしまって
何が面白くて、ソウマと2人で置き去りにされなければならないのだろうか。