冬うらら2
☆
よしよし。
この男を、無事披露宴会場まで引きずりこめたので、一人でソウマは悦に入っていた。
やはり、メイの魔法は偉大だ。
引き離すと危ないが、側にさえ置いておけば、こんなにおとなしくなるとは―― 本人が聞いたら、暴れ回りそうなことを考えて、感心してしまう。
嬉しそうなハルコの様子を見ると、更にソウマはご満悦になるのだ。
彼にとっては、ダブルで楽しいことだった。
しかし、カイトのオーラときたら、「お前は出ていけ」というのが、はっきりと現れていて。
こんなに協力した人間に対して、ひどい仕打ちだ。
だが、ソウマは口で言われないのをいいことに、その表情をすべて気づかないフリをして、にこやかな態度を続けた。
これからの披露宴は。
ソウマとハルコが、心を込めて選んだプランだ。
といっても、スモークでゴンドラで登場、ということではない。レーザー光線もナシだ。
最初にソウマは、すっぽかされたことでカチンときて、目にものを見せてやろうと、とんでもないプランをくっつけようとしたのだが、優しく妻に諭されてしまった。
『あんまりひどいのにすると、開始早々逃げられても知らないわよ』と。
さすがに、それは困る。
すっぽかされた披露宴の後のフォローは誰がするのか―― 考えたくなかったのだ。
だから、内容的にはプレーンなものに押さえた。
が、しかし。
ふっふっふ。
ソウマは、笑顔の質を変えた。
彼は、ただおとなしく今日という日を、終えるつもりはなかったのだった。
よしよし。
この男を、無事披露宴会場まで引きずりこめたので、一人でソウマは悦に入っていた。
やはり、メイの魔法は偉大だ。
引き離すと危ないが、側にさえ置いておけば、こんなにおとなしくなるとは―― 本人が聞いたら、暴れ回りそうなことを考えて、感心してしまう。
嬉しそうなハルコの様子を見ると、更にソウマはご満悦になるのだ。
彼にとっては、ダブルで楽しいことだった。
しかし、カイトのオーラときたら、「お前は出ていけ」というのが、はっきりと現れていて。
こんなに協力した人間に対して、ひどい仕打ちだ。
だが、ソウマは口で言われないのをいいことに、その表情をすべて気づかないフリをして、にこやかな態度を続けた。
これからの披露宴は。
ソウマとハルコが、心を込めて選んだプランだ。
といっても、スモークでゴンドラで登場、ということではない。レーザー光線もナシだ。
最初にソウマは、すっぽかされたことでカチンときて、目にものを見せてやろうと、とんでもないプランをくっつけようとしたのだが、優しく妻に諭されてしまった。
『あんまりひどいのにすると、開始早々逃げられても知らないわよ』と。
さすがに、それは困る。
すっぽかされた披露宴の後のフォローは誰がするのか―― 考えたくなかったのだ。
だから、内容的にはプレーンなものに押さえた。
が、しかし。
ふっふっふ。
ソウマは、笑顔の質を変えた。
彼は、ただおとなしく今日という日を、終えるつもりはなかったのだった。