冬うらら2
∞
単なる、ご近所の幼なじみである。
なのに。
高校に入った途端。
マサはぐんぐんと、雨後のタケノコのように背を伸ばしたのだ。
そして、どこかの道場で武術なども始めてしまい、素晴らしい肉体を築き上げたのだった。
そういう2人の血を引いているのだから、きっと高校生にでもなれば、ユウもとんでもなく大きくなるのだろう。
しかし、リンもマサも中学の時は、こんなにまで頭の中が幼くはなかったような気がしたが。
過去を振り返るのは、ここまでにして。
鋼南電気ゲームのファンをコブにして、リンは控え室に入っていったのだった。
どうあっても、ついていくと言ってきかなかったのだ。
「おねえちゃん!」
たっと駆け出した息子は、まずウェディングドレスに抱きついた。
まだ小さな身体のユウは、ドレスにとまったセミのように見える。
その小さなセミは、メイのそばで、ひとしきりミンミンと鳴いた。
「面白い結婚式だねぇ…あんな式を見たのは初めてだよ」
ようやく隙間を見つけて、ちょっとリンが声をかけていたら―― 今度は、そのセミは隣の木に飛び移ったのだ。
単なる、ご近所の幼なじみである。
なのに。
高校に入った途端。
マサはぐんぐんと、雨後のタケノコのように背を伸ばしたのだ。
そして、どこかの道場で武術なども始めてしまい、素晴らしい肉体を築き上げたのだった。
そういう2人の血を引いているのだから、きっと高校生にでもなれば、ユウもとんでもなく大きくなるのだろう。
しかし、リンもマサも中学の時は、こんなにまで頭の中が幼くはなかったような気がしたが。
過去を振り返るのは、ここまでにして。
鋼南電気ゲームのファンをコブにして、リンは控え室に入っていったのだった。
どうあっても、ついていくと言ってきかなかったのだ。
「おねえちゃん!」
たっと駆け出した息子は、まずウェディングドレスに抱きついた。
まだ小さな身体のユウは、ドレスにとまったセミのように見える。
その小さなセミは、メイのそばで、ひとしきりミンミンと鳴いた。
「面白い結婚式だねぇ…あんな式を見たのは初めてだよ」
ようやく隙間を見つけて、ちょっとリンが声をかけていたら―― 今度は、そのセミは隣の木に飛び移ったのだ。