冬うらら2
∞
鋼南電気社長という木である。
ミンミンミンミン。
メイの旦那になった男というだけで、さして親しい間柄でもないというのに、ユウセミは、それはもう大興奮でゲームについて語り出してしまったのだった。
今日が結婚式で、これからも披露宴があるということを、本当に理解しているのだろうか。
はぁとリンは一つため息をついて、夫に目配せをした。
ぬっ。
彼が動く時は、いつもそういう擬音がついているような気がする。
そんな音とともに、最終兵器のマサが動き出し、ユウの襟首をぐいと引っ張ったのだった。
「いやー! もっと、ゲームのお話するの~!!!」
まさしく、セミを捕まえた瞬間のように、大声でわめきちらされるが、夫は容赦ない。
ちなみに、リンも容赦ない。
そんな容赦ない夫婦に育てられて、よくもまあ、こんな性格に育ってしまったものだ。
我が子ながら、不思議でしょうがなかった。
「昔のお前に…そっくりだ」
控え室を出ていきながら、マサがぼそっと言った。
リンは、その大木のスネを、思い切り蹴っ飛ばしたのだった。
鋼南電気社長という木である。
ミンミンミンミン。
メイの旦那になった男というだけで、さして親しい間柄でもないというのに、ユウセミは、それはもう大興奮でゲームについて語り出してしまったのだった。
今日が結婚式で、これからも披露宴があるということを、本当に理解しているのだろうか。
はぁとリンは一つため息をついて、夫に目配せをした。
ぬっ。
彼が動く時は、いつもそういう擬音がついているような気がする。
そんな音とともに、最終兵器のマサが動き出し、ユウの襟首をぐいと引っ張ったのだった。
「いやー! もっと、ゲームのお話するの~!!!」
まさしく、セミを捕まえた瞬間のように、大声でわめきちらされるが、夫は容赦ない。
ちなみに、リンも容赦ない。
そんな容赦ない夫婦に育てられて、よくもまあ、こんな性格に育ってしまったものだ。
我が子ながら、不思議でしょうがなかった。
「昔のお前に…そっくりだ」
控え室を出ていきながら、マサがぼそっと言った。
リンは、その大木のスネを、思い切り蹴っ飛ばしたのだった。