冬うらら2
◎
放っておけば、確かにカイトは披露宴どころか、結婚式さえ挙げなかっただろう。
そういう意味では、ハルコたちが彼の運命を変えたと言ってもいい。
しかし、カイトが結婚式を挙げようとしなかったのは、ただ本当に純粋に「思いつかなかった」からに違いない。
自分にそういう日が訪れるとは、考えてもいなかったのだ。
しかし、メイは普通の女性で。
普通の女性ならば、結婚式やウェディングドレスに夢を持ってもおかしくなかった。
しかし、それをカイトに、ねだれるようなタイプではないのだ。
一番大切なものは、飾り立てた形式ではないと、知っている子のようにハルコには見えた。
だから、一番大切なものが一つあれば、他はワガママを言ってまで手に入れる必要はないと考えているらしく。
そんなこと。
ハルコが許しても、その心中を知ったら、カイトが許してくれるはずがなかった。
きっと後から、『どうして早く言わなかった』と、怒鳴るくらいが関の山だ。
そういう意味では、ハルコは大変によいことをしたつもりでいた。
たとえ今、彼が汗を流しながらイライラと闘っていようとも、後でメイが結婚式の写真を見て、幸せそうに思い出している姿を見れば、我慢してよかったと絶対に思うに違いない。
自分を犠牲にしてまでも、折り合いのつかないところをねじ伏せてまでも、メイを幸せにしたがっているのだから。
放っておけば、確かにカイトは披露宴どころか、結婚式さえ挙げなかっただろう。
そういう意味では、ハルコたちが彼の運命を変えたと言ってもいい。
しかし、カイトが結婚式を挙げようとしなかったのは、ただ本当に純粋に「思いつかなかった」からに違いない。
自分にそういう日が訪れるとは、考えてもいなかったのだ。
しかし、メイは普通の女性で。
普通の女性ならば、結婚式やウェディングドレスに夢を持ってもおかしくなかった。
しかし、それをカイトに、ねだれるようなタイプではないのだ。
一番大切なものは、飾り立てた形式ではないと、知っている子のようにハルコには見えた。
だから、一番大切なものが一つあれば、他はワガママを言ってまで手に入れる必要はないと考えているらしく。
そんなこと。
ハルコが許しても、その心中を知ったら、カイトが許してくれるはずがなかった。
きっと後から、『どうして早く言わなかった』と、怒鳴るくらいが関の山だ。
そういう意味では、ハルコは大変によいことをしたつもりでいた。
たとえ今、彼が汗を流しながらイライラと闘っていようとも、後でメイが結婚式の写真を見て、幸せそうに思い出している姿を見れば、我慢してよかったと絶対に思うに違いない。
自分を犠牲にしてまでも、折り合いのつかないところをねじ伏せてまでも、メイを幸せにしたがっているのだから。