冬うらら2
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結婚式は、ほぼすっぽかてしまったタロウだったが、披露宴は最初から席についていた。
大体、こういう式や宴自体で、ウキウキする材料はない。
日々、楽しく生きていくことをモットーとしているタロウでも、さすがに今回は、仕事上の付き合いの色が強いのだ。
そんな彼の、唯一の楽しみは。
おっ、ええ女おるやん!
新郎新婦の入場が始まる直前に、彼は1人の女に目をつけていた。
席からすると、おそらく鋼南電気の社員の1人だろう。
髪をアップにして、いかにも『私は仕事が出来ます』という雰囲気を匂わせている、ちょっと気の強そうな女で。
しかし、どこかで見たような。
いつもの服とは違うし、髪型も違う。
だから、一瞬タロウは迷ってしまった。
が、頭の中の検索サーバーは有能で、見事に思い出したのだった。
彼女は―― 誰あろう、社長秘書だったのだ。
けど、あれは高嶺の花やな。
目の保養をしつつ、しかし、タロウはそう感じていた。
気の強い女は、彼は大好きだ。
女であろうとも、やはり自分の夢やパワーや自信なんかを持っているタイプを見ると、視線を持っていかれてしまう。
バリバリのキャリアウーマンを見ると、「たまらんなぁ」と呟くことしばしば。
女は、女というだけでみんな美人に見えるが、それ以上の付加価値を持たれると、なお美人に見える。
しかし、あの社長秘書は、彼の好みからするとちょっと違うような気がする。
夢と言うよりも、自尊心の方が前に出ているようだった。
リエとは、タロウで言うところの、「惜しい! 95点や!」になるのだ。
ちなみに、女が90点以下を取るのは、かなり彼の中で難しいことだったが。
そうして、他の女性を物色しようとした時に。
場内が、ぱっと暗くなってしまった。
主役たちが、入場するのだ。
あかん。
タロウは、自分が失敗したことに気づいたのである。
赤外線スコープ持ってこな、あかんかった。
ちなみに、彼の家には―― ミリタリーグッズがいっぱいあった。
結婚式は、ほぼすっぽかてしまったタロウだったが、披露宴は最初から席についていた。
大体、こういう式や宴自体で、ウキウキする材料はない。
日々、楽しく生きていくことをモットーとしているタロウでも、さすがに今回は、仕事上の付き合いの色が強いのだ。
そんな彼の、唯一の楽しみは。
おっ、ええ女おるやん!
新郎新婦の入場が始まる直前に、彼は1人の女に目をつけていた。
席からすると、おそらく鋼南電気の社員の1人だろう。
髪をアップにして、いかにも『私は仕事が出来ます』という雰囲気を匂わせている、ちょっと気の強そうな女で。
しかし、どこかで見たような。
いつもの服とは違うし、髪型も違う。
だから、一瞬タロウは迷ってしまった。
が、頭の中の検索サーバーは有能で、見事に思い出したのだった。
彼女は―― 誰あろう、社長秘書だったのだ。
けど、あれは高嶺の花やな。
目の保養をしつつ、しかし、タロウはそう感じていた。
気の強い女は、彼は大好きだ。
女であろうとも、やはり自分の夢やパワーや自信なんかを持っているタイプを見ると、視線を持っていかれてしまう。
バリバリのキャリアウーマンを見ると、「たまらんなぁ」と呟くことしばしば。
女は、女というだけでみんな美人に見えるが、それ以上の付加価値を持たれると、なお美人に見える。
しかし、あの社長秘書は、彼の好みからするとちょっと違うような気がする。
夢と言うよりも、自尊心の方が前に出ているようだった。
リエとは、タロウで言うところの、「惜しい! 95点や!」になるのだ。
ちなみに、女が90点以下を取るのは、かなり彼の中で難しいことだったが。
そうして、他の女性を物色しようとした時に。
場内が、ぱっと暗くなってしまった。
主役たちが、入場するのだ。
あかん。
タロウは、自分が失敗したことに気づいたのである。
赤外線スコープ持ってこな、あかんかった。
ちなみに、彼の家には―― ミリタリーグッズがいっぱいあった。