冬うらら2
◎
どこに。
ハルコは、首をめぐらせた。
すると。
まあ。
まるで、忍者ごっこでもしているかのように、ソウマはそぉっと音を立てないように、シュウの背後に忍び寄っていたのだ。
副社長自身は、気づいていないようだが、周囲の人間は全て「何事か?」というカンジで、彼のすぐ真後ろに迫ったソウマを見ていた。
すっ。
そして、いきなり。
ソウマは、手を伸ばしてマイクを強奪したのだ。
「それでは、皆様…」
いきなり、夫の声がマイクから流れ始める。
周囲の人間が、唖然としている隙間をうまくついて―― 彼は、力ワザで『乾杯』に持ち込んでしまったのだった。
まったくもう。
絶妙の2人の表情は、それ自体が既に余興と化している。
みんな「乾杯」とお酒に口をつけながら、さっきまでのつまらない長話を忘れたかのように楽しげだ。
カイトくんも入れて、トリオで売り出せばいいのに。
自分で考えたことに自分でウケて、ハルコはなかなかグラスに口をつけることが出来なかった。
どこに。
ハルコは、首をめぐらせた。
すると。
まあ。
まるで、忍者ごっこでもしているかのように、ソウマはそぉっと音を立てないように、シュウの背後に忍び寄っていたのだ。
副社長自身は、気づいていないようだが、周囲の人間は全て「何事か?」というカンジで、彼のすぐ真後ろに迫ったソウマを見ていた。
すっ。
そして、いきなり。
ソウマは、手を伸ばしてマイクを強奪したのだ。
「それでは、皆様…」
いきなり、夫の声がマイクから流れ始める。
周囲の人間が、唖然としている隙間をうまくついて―― 彼は、力ワザで『乾杯』に持ち込んでしまったのだった。
まったくもう。
絶妙の2人の表情は、それ自体が既に余興と化している。
みんな「乾杯」とお酒に口をつけながら、さっきまでのつまらない長話を忘れたかのように楽しげだ。
カイトくんも入れて、トリオで売り出せばいいのに。
自分で考えたことに自分でウケて、ハルコはなかなかグラスに口をつけることが出来なかった。