冬うらら2
♪
「服なら、お姉ちゃんに借りればいいじゃない」
ツキは、隣の部屋を指す。
確かに、一般ウケのいいおとなしめな服なら、1号の方が持っているに違いない。
「うー…だって、いま1号怒ってるもん」
ちょっと、クマパンチしてただけで。
ぷい、とハナは、自分も不機嫌であることをアピールした。
披露宴には行けない、姉には怒られる、チョコレートの味見は出来ない―― 最低だ。
「まったくもう…ほら、一緒に謝ってあげるから」
着替えを終えた2号に引っ張られる。
何だか、気がつけばいつもこういうカンジだ。
1号と絡むことが多いのだが、ハナがいつもムチャクチャやるので、バツが悪くなることがある。
そういう時には、2号が必ずバランスを取ってくれるのだ。
おとなしいのと勝気という、両極端な性格の真ん中に挟まると、イヤでもそうなってしまうのかもしれない。
ハナには優しく、ユキには強く接してくれるのは、これまでの付き合いで手に入れた知恵なのか。
どういう理由にせよ、ハナのプライドに障らないようにうまく扱ってくれる2号は、大好きだった。
子供の頃から、余計なことを言って親に怒られた後、迎えに来てくれたのは必ずツキだ。
1号は、探しに出たら自分の方が迷子になる可能性があったので、親が出してくれなかったのである。
その度に、『一緒に謝ってあげるから』だった。
どうにも、その言葉は「三つ子の魂百まで」となり、彼女にとって弱い言葉になった。
そう言われると、さすがのハナも小さな子供に戻ったみたいに、「うん」と言わなければならないような気分にさせられるのである。
「服なら、お姉ちゃんに借りればいいじゃない」
ツキは、隣の部屋を指す。
確かに、一般ウケのいいおとなしめな服なら、1号の方が持っているに違いない。
「うー…だって、いま1号怒ってるもん」
ちょっと、クマパンチしてただけで。
ぷい、とハナは、自分も不機嫌であることをアピールした。
披露宴には行けない、姉には怒られる、チョコレートの味見は出来ない―― 最低だ。
「まったくもう…ほら、一緒に謝ってあげるから」
着替えを終えた2号に引っ張られる。
何だか、気がつけばいつもこういうカンジだ。
1号と絡むことが多いのだが、ハナがいつもムチャクチャやるので、バツが悪くなることがある。
そういう時には、2号が必ずバランスを取ってくれるのだ。
おとなしいのと勝気という、両極端な性格の真ん中に挟まると、イヤでもそうなってしまうのかもしれない。
ハナには優しく、ユキには強く接してくれるのは、これまでの付き合いで手に入れた知恵なのか。
どういう理由にせよ、ハナのプライドに障らないようにうまく扱ってくれる2号は、大好きだった。
子供の頃から、余計なことを言って親に怒られた後、迎えに来てくれたのは必ずツキだ。
1号は、探しに出たら自分の方が迷子になる可能性があったので、親が出してくれなかったのである。
その度に、『一緒に謝ってあげるから』だった。
どうにも、その言葉は「三つ子の魂百まで」となり、彼女にとって弱い言葉になった。
そう言われると、さすがのハナも小さな子供に戻ったみたいに、「うん」と言わなければならないような気分にさせられるのである。