冬うらら2
◎
「いや、そういうのじゃなくて……」
まだ、苦い顔の彼に。
「あ、イチハラさんたちも、ご夫婦で二次会に見えられるんですよね?」
社長の話を、いろいろ聞かせてくださいよ。
開発の一人が、通りがかりに誘ってくる。
カイトのことを暴露したソウマは、本日のヒーロー扱いされてもおかしくないほどだ。
だから、ハルコの夫であることを除いても、誘われておかしくない立場である。
「ええー! ハルコ先輩の旦那さんなんですか? あの、伝説の??」
女の子の一人が、聞きつけて話に飛び込んでくる。
その時の、ソウマの顔と言ったら。
あいた。
そういう表情だったのだ。
あら。
そこでようやく、ハルコは合点がいった。
なぜ、鋼南電気社員が大勢集まる二次会に、ソウマが出たがらないかという理由が。
ふぅん。
にっこり。
彼女は、笑顔で夫を見る。
バツが悪そうに、ソウマは眉を上げた。
「仲良く、一緒に行きましょうね?」
色々思い出したわ―― そういう含みを込めて、夫を誘う。
「やれやれ…」
首輪をはめられ、BGMにドナドナを流しながら、ソウマは妻に引かれて行くことになったのだった。
「いや、そういうのじゃなくて……」
まだ、苦い顔の彼に。
「あ、イチハラさんたちも、ご夫婦で二次会に見えられるんですよね?」
社長の話を、いろいろ聞かせてくださいよ。
開発の一人が、通りがかりに誘ってくる。
カイトのことを暴露したソウマは、本日のヒーロー扱いされてもおかしくないほどだ。
だから、ハルコの夫であることを除いても、誘われておかしくない立場である。
「ええー! ハルコ先輩の旦那さんなんですか? あの、伝説の??」
女の子の一人が、聞きつけて話に飛び込んでくる。
その時の、ソウマの顔と言ったら。
あいた。
そういう表情だったのだ。
あら。
そこでようやく、ハルコは合点がいった。
なぜ、鋼南電気社員が大勢集まる二次会に、ソウマが出たがらないかという理由が。
ふぅん。
にっこり。
彼女は、笑顔で夫を見る。
バツが悪そうに、ソウマは眉を上げた。
「仲良く、一緒に行きましょうね?」
色々思い出したわ―― そういう含みを込めて、夫を誘う。
「やれやれ…」
首輪をはめられ、BGMにドナドナを流しながら、ソウマは妻に引かれて行くことになったのだった。