冬うらら2
●
カイトが、その言葉に変に反応しそうだったのだ。
ソウマが声をかけると、大体そうなるので。
そういう意味では、結婚式に関するいろんな決定事項を、カイトに確認を取らなかったのは正しかったかもしれない。
いや、彼らは『勝手にしろ』と言われたので、本当に勝手にしていただけかも。
ソウマやハルコは、すごくいい人で、彼女はとてもお世話になった。
大好きな人たちだ。
ただ、少しカイトには遠慮がない。
でもまあ、それが友達というものなのだろう。
友達…。
メイは、ぽつっと思った。
昔住んでいたところには、学生時代の友達が何人もいる。
ここから駅で7つくらい行ったところだ。
彼女らは、どうしているだろうか。
何の連絡も取らないまま、消えてしまった自分を心配してはいないだろうか。
もう少し落ち着いたら、新住所を知らせる意味ででも、ハガキを出そうと思った。
結婚して、元気でやってます―― その一言だけでも伝えたら、きっとみんな安心してくれるに違いなかった。
「それじゃ、失礼するわね」
ハルコの声で、はっと我に返る。
カイトは怒鳴ってはいなかったけれども、ようやく振り返って、お客たちを睨んでいた。
「あ、下まで…」
送ります、と言おうとしたのに。
「すんな!」
ついに、怒鳴り声が出てしまった。
「と、言うワケだ…見送りはここまででいいよ」
ソウマは、ぽんっとメイの肩を叩く。
そして、二人で嬉しそうな気配の背中を見せながら、部屋を出ていってしまった。
カイトが、その言葉に変に反応しそうだったのだ。
ソウマが声をかけると、大体そうなるので。
そういう意味では、結婚式に関するいろんな決定事項を、カイトに確認を取らなかったのは正しかったかもしれない。
いや、彼らは『勝手にしろ』と言われたので、本当に勝手にしていただけかも。
ソウマやハルコは、すごくいい人で、彼女はとてもお世話になった。
大好きな人たちだ。
ただ、少しカイトには遠慮がない。
でもまあ、それが友達というものなのだろう。
友達…。
メイは、ぽつっと思った。
昔住んでいたところには、学生時代の友達が何人もいる。
ここから駅で7つくらい行ったところだ。
彼女らは、どうしているだろうか。
何の連絡も取らないまま、消えてしまった自分を心配してはいないだろうか。
もう少し落ち着いたら、新住所を知らせる意味ででも、ハガキを出そうと思った。
結婚して、元気でやってます―― その一言だけでも伝えたら、きっとみんな安心してくれるに違いなかった。
「それじゃ、失礼するわね」
ハルコの声で、はっと我に返る。
カイトは怒鳴ってはいなかったけれども、ようやく振り返って、お客たちを睨んでいた。
「あ、下まで…」
送ります、と言おうとしたのに。
「すんな!」
ついに、怒鳴り声が出てしまった。
「と、言うワケだ…見送りはここまででいいよ」
ソウマは、ぽんっとメイの肩を叩く。
そして、二人で嬉しそうな気配の背中を見せながら、部屋を出ていってしまった。