冬うらら2
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タロウは―― このまま、時が止まってしまえばええ、と思った。
酔ったハナを、いま自分は介抱しているのだ。
しかも!
しかも、である。
彼女は、自分の膝枕で眠っているのだ。
上着を脱いで、ハナの身体にかけてやる。
酔ってつぶれた女に、いけないことをするのは、タロウの信条に反するが、こうしているだけでも、彼は幸せでしょうがなかった。
おるんやな。
ようやく、少し落ち着けた、というところか。
この元気ものが、ピンピン跳ね回っている間は、一緒に彼の心臓もジャンプ三昧だった。
けれども、こうして遊園地帰りの子供みたいに寝入ってしまうと、何だかこう、じわーっとあったかいものに、ヒザと心を占拠されるというか。
ホントに、運命の相手っておるんやな。
つくづく、タロウはそれを思い知らされていた。
出会ったばかりとは思えない、この燃え上がっている気持ちは、本当にいままでの人生の中で初めての出来事だった。
気の強い女なら、世界にはたくさんいる。
しかし、いずれも120点なんて点数を、ソロバンに打ち込んだりしなかった。
おかげで彼は、ジャカジャカとソロバンを打ち鳴らし、ソロバンスキーで直滑降という有様なのである。
ホンマ、来てよかったで。
もし、二次会に来なければ、いまこの膝枕の役は、他の男だったかもしれない。
鋼南の社長や副社長と、何か因縁がありそうな彼女である。
しかも、こんなに可愛いのだ。
他の男連中に、目やツバをつけられてもしょうがない。
しかし。
タロウは、まだ彼女のことを全然知らなかった。
名前がハナであることくらいだ。
他の連中に聞けば、どこの部署で働いているかとか、フリーかどうかとか確認することも出来るのだろうが、いまのこの状況では無理だ。
この膝枕を、彼は放棄したくなかったのである。
タロウは―― このまま、時が止まってしまえばええ、と思った。
酔ったハナを、いま自分は介抱しているのだ。
しかも!
しかも、である。
彼女は、自分の膝枕で眠っているのだ。
上着を脱いで、ハナの身体にかけてやる。
酔ってつぶれた女に、いけないことをするのは、タロウの信条に反するが、こうしているだけでも、彼は幸せでしょうがなかった。
おるんやな。
ようやく、少し落ち着けた、というところか。
この元気ものが、ピンピン跳ね回っている間は、一緒に彼の心臓もジャンプ三昧だった。
けれども、こうして遊園地帰りの子供みたいに寝入ってしまうと、何だかこう、じわーっとあったかいものに、ヒザと心を占拠されるというか。
ホントに、運命の相手っておるんやな。
つくづく、タロウはそれを思い知らされていた。
出会ったばかりとは思えない、この燃え上がっている気持ちは、本当にいままでの人生の中で初めての出来事だった。
気の強い女なら、世界にはたくさんいる。
しかし、いずれも120点なんて点数を、ソロバンに打ち込んだりしなかった。
おかげで彼は、ジャカジャカとソロバンを打ち鳴らし、ソロバンスキーで直滑降という有様なのである。
ホンマ、来てよかったで。
もし、二次会に来なければ、いまこの膝枕の役は、他の男だったかもしれない。
鋼南の社長や副社長と、何か因縁がありそうな彼女である。
しかも、こんなに可愛いのだ。
他の男連中に、目やツバをつけられてもしょうがない。
しかし。
タロウは、まだ彼女のことを全然知らなかった。
名前がハナであることくらいだ。
他の連中に聞けば、どこの部署で働いているかとか、フリーかどうかとか確認することも出来るのだろうが、いまのこの状況では無理だ。
この膝枕を、彼は放棄したくなかったのである。