冬うらら2

「イ・ヤ!」

 やはり、答えはそれだった。

 予感はしていたのだが。

 食べ終わったアイスの皿をそこらに置くと、彼女は立ち上がった。

 多少フラつく足取りではあったが、また人の群れの方に戻ろうとする。

 タロウの上着をひっかけたまま。

 ああ、どこ行くんや!

 慌てて立ち上がって追いかける。

「わっ、ハナ…何だ!」

「いい雰囲気だったじゃないか、向こうで…うわわっ」

 ハナは、ひやかす鋼南の社員の手にあった、水割りのグラスを掴むや。

 ぐいっ。

 性懲りもなく、また彼女は酒に手を出してしまったのだった。
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