冬うらら2
☆
今日のソウマの収穫は、何と言っても第一開発のチーフだったか。
勿論、結婚式や披露宴の様子は別物である。
あれと比較できるものなど、他には何もないのだから。
社内のカイトの様子など、まず滅多に聞く機会などないソウマにしてみれば、チーフという身近なコネクションを得ることが出来て―― 今後とも、楽しみなところだった。
お互いの情報を照らし合わせると、あちこち穴あきしていた部分が埋められて、かなり明確にあのワンマン社長の行動が浮き上がってくる。
知れば知るほど、メイにメロメロなところが、くっきりはっきりとスポットライトを浴びるのだ。
そんな検証をされていると知った日には、カイトの怒りは想像に難くないが。
それに。
チーフの話を聞くと、もう一度『BADIA』をやってみたくなった。
あのマリアに、一体どのくらいのカイトのポリシーや気持ちがこもっているのか、見てみたいような気がしたのである。
ゲームを見る目が、変わったというか。
今までは、どこか子供のお遊び的な気持ちだった。
しかし、ゲームの中に本当のカイトがいるらしい。
その男にはまだ、ソウマは触れたことがないように思えたのだ。
いや、あまり撫で回したいワケではないのだが。
ただ。
あの円盤の中に住むカイトの影を、追いかけている社員たちがいるのだ。
BADとMARIAという言葉が、いっしょくたになった言葉―― 『BADIA』
憎しみと愛が混ざり合って凝固した言葉だと、チーフは言った。
『社長は、愛の方は苦手そうですけどね…それは、ゲームを見れば分かります』
と言われたことも、ソウマがやりたくなった一要因だ。
「どうしたの?」
ウーロン茶を飲み終えようとしていた妻が、黙ったままのソウマに声をかけてきた。
「ハルコ…あのゲーム機はどこにしまったか覚えてるか?」
今日のソウマの収穫は、何と言っても第一開発のチーフだったか。
勿論、結婚式や披露宴の様子は別物である。
あれと比較できるものなど、他には何もないのだから。
社内のカイトの様子など、まず滅多に聞く機会などないソウマにしてみれば、チーフという身近なコネクションを得ることが出来て―― 今後とも、楽しみなところだった。
お互いの情報を照らし合わせると、あちこち穴あきしていた部分が埋められて、かなり明確にあのワンマン社長の行動が浮き上がってくる。
知れば知るほど、メイにメロメロなところが、くっきりはっきりとスポットライトを浴びるのだ。
そんな検証をされていると知った日には、カイトの怒りは想像に難くないが。
それに。
チーフの話を聞くと、もう一度『BADIA』をやってみたくなった。
あのマリアに、一体どのくらいのカイトのポリシーや気持ちがこもっているのか、見てみたいような気がしたのである。
ゲームを見る目が、変わったというか。
今までは、どこか子供のお遊び的な気持ちだった。
しかし、ゲームの中に本当のカイトがいるらしい。
その男にはまだ、ソウマは触れたことがないように思えたのだ。
いや、あまり撫で回したいワケではないのだが。
ただ。
あの円盤の中に住むカイトの影を、追いかけている社員たちがいるのだ。
BADとMARIAという言葉が、いっしょくたになった言葉―― 『BADIA』
憎しみと愛が混ざり合って凝固した言葉だと、チーフは言った。
『社長は、愛の方は苦手そうですけどね…それは、ゲームを見れば分かります』
と言われたことも、ソウマがやりたくなった一要因だ。
「どうしたの?」
ウーロン茶を飲み終えようとしていた妻が、黙ったままのソウマに声をかけてきた。
「ハルコ…あのゲーム機はどこにしまったか覚えてるか?」