冬うらら2

 二次会の、終わりが宣言される。

 結局、ハルコの作った水割りには手をつけず、ウーロン茶で喉をしめらせたシュウは、すっくと立ち上がった。

 どうやら、タロウ氏への心配も、取り越し苦労で済んだようだ。

 しかし、それはシュウがここにいたからこそ、防げたことかもしれない。

 真実は分からないが、社外秘を守り通せたという達成感はあった。

「三次会はオケ屋だぞ~!」

 酔っぱらいの叫び声に顔をしかめた副社長だったが、もっと甲高い声があがった。

「歌っちゃうよー!! イエー!!!」

 開発の女性が、これまた出来上がった大声で拳を振り上げる。

「もうヤケや! オレもとことんつきあうで~!」

 そして、トドメが。

 タロウまでもが、その声に賛同するではないか。

 彼も三次会に行くとすれば。

 シュウは、ふぅとため息をついた。

 彼の監視作業は、まだ終わったワケではなかったのだ。
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