冬うらら2
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「早く、荷物を預けて搭乗手続きをしてらっしゃい」
ハルコにせかされて、カイトがスーツケースをひっつかむ。
台風のように、彼はカウンターの方へ行ってしまった。
メイは。
さっきまで駆けていたせいで、乱れた呼吸を整えようと必死だった。
どうやら間に合いそうなカンジに、ホッとする。
「どうして、こんなに遅くなったの?」
苦笑するハルコに聞かれて―― メイは困ってしまった。
余りに簡単に言ってしまうと、たった一言なのだ。
『寝坊』
まぎれもない事実だった。
いつもならちゃんと目覚ましは、早い内にセットしているのだ。
でも、昨日の夜はそんなヒマはなかった。
カイトが。
メイは、慌てて頭を左右に振った。
いま甦ろうとした記憶を、飛ばそうと思ったのである。
こんな時に、思い出すことではなかった。
ただ。
結婚式の夜だけでは、カイトの嵐は終わらなかった、ということだ。
昨日の朝は、いつもの彼とは違う雰囲気を覚えたのだが、夜になるといつも通りというか、何というか。
ついでに、連想ゲームのように、結婚式の夜まで思い出してしまった。
翌朝、ベッドから出る時の恥ずかしさと言ったら、他の比ではなかっただろう。
ベッドの下に散乱する衣服と言えば――ウェディングドレスに、カイトのタキシード、シャツ。
とにかく、ゴージャスな布地の世界だったのだ。
「早く、荷物を預けて搭乗手続きをしてらっしゃい」
ハルコにせかされて、カイトがスーツケースをひっつかむ。
台風のように、彼はカウンターの方へ行ってしまった。
メイは。
さっきまで駆けていたせいで、乱れた呼吸を整えようと必死だった。
どうやら間に合いそうなカンジに、ホッとする。
「どうして、こんなに遅くなったの?」
苦笑するハルコに聞かれて―― メイは困ってしまった。
余りに簡単に言ってしまうと、たった一言なのだ。
『寝坊』
まぎれもない事実だった。
いつもならちゃんと目覚ましは、早い内にセットしているのだ。
でも、昨日の夜はそんなヒマはなかった。
カイトが。
メイは、慌てて頭を左右に振った。
いま甦ろうとした記憶を、飛ばそうと思ったのである。
こんな時に、思い出すことではなかった。
ただ。
結婚式の夜だけでは、カイトの嵐は終わらなかった、ということだ。
昨日の朝は、いつもの彼とは違う雰囲気を覚えたのだが、夜になるといつも通りというか、何というか。
ついでに、連想ゲームのように、結婚式の夜まで思い出してしまった。
翌朝、ベッドから出る時の恥ずかしさと言ったら、他の比ではなかっただろう。
ベッドの下に散乱する衣服と言えば――ウェディングドレスに、カイトのタキシード、シャツ。
とにかく、ゴージャスな布地の世界だったのだ。