冬うらら2
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「ほら、カイトもコートを脱げ」
ソウマに呼びかけられて、ハッと彼は我に返ったようだった。
イチイチ、命令すんな。
そんな顔で、カイトはしぶしぶコートを脱ぐ。
そして、ソウマに放り投げた。
受け取った側からは、苦笑が漏れる。
「おい、そのセーターも、南の島には不要だろう」
ソウマの追撃は、終わらなかった。
メイからも、二枚の衣服をはいだように、カイトからもそうしようとしたのだ。
すると、彼はぎょっとした顔になった。
あ。
メイは、その事実に驚いた。
朝、着る服については、彼女は何も関与していなかった。
寝坊で、それどころではなかったのだ。
カイトは、彼女の編んだセーターを、コートの下に着込んでいたのである。
一体いつそうしたのか、本当に気づかなかったが。
着てくれたのはとても嬉しいが、確かに南の島には不要なものだ。
でも、その事実だけでも、彼女は手放しに喜んだのである。
一生懸命、編んだのが報われたような気がして。
「これは…いい!」
なのに。
カイトは怒ったように、ソウマの提案を拒んだのだった。
ええっ?
これには、メイはもっと驚いた。
「いいって…向こうは暑い国なんだ。そんなセーターなんか着てると、すぐに煮えるぞ」
ソウマの苦笑は、もっともだ。
メイだって、向こうが本当に暑い国なのかどうか体験するまでは納得できないが、さすがにジャケットを持って行こうとは思わない。
「ほら、カイトもコートを脱げ」
ソウマに呼びかけられて、ハッと彼は我に返ったようだった。
イチイチ、命令すんな。
そんな顔で、カイトはしぶしぶコートを脱ぐ。
そして、ソウマに放り投げた。
受け取った側からは、苦笑が漏れる。
「おい、そのセーターも、南の島には不要だろう」
ソウマの追撃は、終わらなかった。
メイからも、二枚の衣服をはいだように、カイトからもそうしようとしたのだ。
すると、彼はぎょっとした顔になった。
あ。
メイは、その事実に驚いた。
朝、着る服については、彼女は何も関与していなかった。
寝坊で、それどころではなかったのだ。
カイトは、彼女の編んだセーターを、コートの下に着込んでいたのである。
一体いつそうしたのか、本当に気づかなかったが。
着てくれたのはとても嬉しいが、確かに南の島には不要なものだ。
でも、その事実だけでも、彼女は手放しに喜んだのである。
一生懸命、編んだのが報われたような気がして。
「これは…いい!」
なのに。
カイトは怒ったように、ソウマの提案を拒んだのだった。
ええっ?
これには、メイはもっと驚いた。
「いいって…向こうは暑い国なんだ。そんなセーターなんか着てると、すぐに煮えるぞ」
ソウマの苦笑は、もっともだ。
メイだって、向こうが本当に暑い国なのかどうか体験するまでは納得できないが、さすがにジャケットを持って行こうとは思わない。