冬うらら2
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ハルコとは、毎日何かの約束をしているワケではない。
だから、今日も来るかどうか分からなかった。
来てくれればいいな。
今日のメイは、それを願う。
カイトが遅くなるということは、この家に一人でいる時間が、いつもより長いということだ。
そのことをあまり考えたくなかった。
一人でずっといるには、この家は静か過ぎるのだ。
テレビさえないのである。
退屈をしのぐための本もない。
パソコンは置いてあるが、使い方も分からないし、勝手に触っても怒られるだろう。
第一、パソコンで何が出来るかさえ、彼女はよく分からなかったのだ。
部屋中掃除したり、こまごました家事をしたりして―― 階段に座り込んで、はぁとため息をついたのは、午後2時だった。
「退屈そうね…」
そこで、ようやくハルコが現れた。
嬉しさに、ぴょんと耳が立ってしまいそうだった。
雨が降りそうよ、と玄関の方を振り返る。
雪ならいいのに。
彼女の見立て通り退屈だったせいか、メイはぽつっとそう思った。
しかし、慌てて首を横に振る。
もし、本当に雪なんかがじゃんじゃん降ったりした日には、カイトが車で帰ってこられなくなってしまうかもしれない。
いや、無理して車で帰ろうとしたら危ないではないか。
「買い物にでも出ない? 今日は、普通の買い物よ」
私も、夕食の買い物がしたいの。
ハルコは、本当によく気のつく人である。
このお誘いも、メイへのたくさんの気配りが込められている。
雨が降りそうであること、メイは車を運転できないこと、退屈そうであること。
ありがたすぎて、かえって自分が恥ずかしくなってしまう。
いつか、こういう素敵な人になりたいなと、ちょっと思ってしまった。
そうすればカイトも、もっと私のことを。
考えかけたことを、慌てて振り払った。
また、すごく自分が贅沢なことを願ったのに気づいたのだ。
ハルコとは、毎日何かの約束をしているワケではない。
だから、今日も来るかどうか分からなかった。
来てくれればいいな。
今日のメイは、それを願う。
カイトが遅くなるということは、この家に一人でいる時間が、いつもより長いということだ。
そのことをあまり考えたくなかった。
一人でずっといるには、この家は静か過ぎるのだ。
テレビさえないのである。
退屈をしのぐための本もない。
パソコンは置いてあるが、使い方も分からないし、勝手に触っても怒られるだろう。
第一、パソコンで何が出来るかさえ、彼女はよく分からなかったのだ。
部屋中掃除したり、こまごました家事をしたりして―― 階段に座り込んで、はぁとため息をついたのは、午後2時だった。
「退屈そうね…」
そこで、ようやくハルコが現れた。
嬉しさに、ぴょんと耳が立ってしまいそうだった。
雨が降りそうよ、と玄関の方を振り返る。
雪ならいいのに。
彼女の見立て通り退屈だったせいか、メイはぽつっとそう思った。
しかし、慌てて首を横に振る。
もし、本当に雪なんかがじゃんじゃん降ったりした日には、カイトが車で帰ってこられなくなってしまうかもしれない。
いや、無理して車で帰ろうとしたら危ないではないか。
「買い物にでも出ない? 今日は、普通の買い物よ」
私も、夕食の買い物がしたいの。
ハルコは、本当によく気のつく人である。
このお誘いも、メイへのたくさんの気配りが込められている。
雨が降りそうであること、メイは車を運転できないこと、退屈そうであること。
ありがたすぎて、かえって自分が恥ずかしくなってしまう。
いつか、こういう素敵な人になりたいなと、ちょっと思ってしまった。
そうすればカイトも、もっと私のことを。
考えかけたことを、慌てて振り払った。
また、すごく自分が贅沢なことを願ったのに気づいたのだ。