僕は捨てられた。
ひとりぼっち
もう夜も遅いと言うのに、今日の街はやけに明るい。
たくさんのライトが色鮮やかに光っていた。
今日は
人間の言う『くりすます』らしい。
なんでも、
『さんた』とか言う人が何でも欲しい物をくれる日だとか。
もしも 僕にも『さんた』は欲しい物をくれるなら、
僕は“名前”を貰おう。
僕には 名前がない。
だって今日
捨てられたのだから。
人々が幸せそうに笑いながら行き交うこの街で、ひとりぼっちになってしまったのだから。