あの頃のあたし達

花火大会の会場に行くともう大勢の人がいた。


「すごい人混みだね。迷子になりそうー。ね、知哉のシャツの裾にぎってていい?」


かなが知哉に聞いてた。知哉はびっくりしてたけど、

「いいよ。かな迷子になりそうだし。」


って照れ笑いしながら言った。


「俺のシャツもにぎっていいよー。」


って宏明は言ってたけどかなは、


「知哉のがいいもん。」


って答えてた。かなは積極的だなぁとあたしは横で思ってた。


「じゃあ、恵が俺のシャツの裾にぎる?」


って宏明が言うからあたしは、


「うん。」


って答えて宏明のシャツの裾を握った。


「ねー、ダブルデートみたいだね!」


かながはしゃいで言った。


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