あの頃のあたし達
「ねー、さっきの人、知哉くんって優しそうだよね。 他の移動教室、何取ってるのかなぁ?」
さっそくかなが聞いてきた。
「んー、あたしたちの学科ってある程度、同じの取ることになるんじゃない?必須科目と必須科目の間に空き時間ある時多いしさ。」
あたしは興味なさげに答えた。実際その時は優しそうってだけで、取り立てて興味があるわけではなかったから。
「そっかぁ。一緒だったらいいな…。」
かなが呟いた。
「かなは興味があるの?さっきの知哉くんのこと。」
あたしは聞いてみた。