あの頃のあたし達

トントン。


宏明の部屋をノックする。

…返答がなかった。寝てるのかな?と思いつつもう一度ノックしたけど、やっぱり返答はなかった。


あたしは諦めてダイニングに行く。あの気まずい雰囲気は嫌だけどしょうがないし。


ダイニングに入って、あたしはつとめて明るくいった。


「宏明まだ寝てるみたい。もー、よく寝るよね。先に朝ごはん食べよう!」


「そうだね。じゃ先に用意して食べよう。」


かなが言う。かなは飲み物を用意し出して、あたしはハムエッグを作り始めた。

知哉は所帯なさげにソファーに座っていた。


―なんか昨日とは違う雰囲気。特に知哉は…。何かあったのかなぁ。―


今日の知哉は話しかけにくい雰囲気だった。いつもは率先して料理するほうなのにどうしたのだろ。



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