あの頃のあたし達

次の日、知哉から電話があった。


ディスプレイに知哉の名前をみた瞬間、即効電話をとった。


「もしもし?」


「恵?俺、知哉だけど。旅行の時のことなんだけど、ごめんな。かなから何か聞いた?」


「うん。今日かなに会って聞いたよ。」


「そっか…。言い訳になるんだけど、あの日のこと俺、覚えてないんだ。かなには申し訳ないんだけど。部屋に入れて、話したのまでは覚えてて…。俺…、実は…恵のことが好きだったんだ。…最低だよな、俺。」

「かなは知哉のこと好きだよ。」


「うん。わかってる…。わかってるからよけい俺は最低だと思う。」


「そんなことないよ…。」


「そんなことあるんだよ。俺、責任をとってかなと付き合おうと思うんだ。その前にずるいと思ったんだけど、俺の気持ち伝えたかった。」


「わかった。かなとならうまくいくと思うよ。頑張って。」


あたしは自分の気持ちを隠して応援した。


鼻の奥がツーンとした。


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