「「お前が…」」 (将弘&隼人)
林 隼人






将弘の部屋に入るとすげぇ綺麗。
まぁ俺も負けてなぇけど。


「あ、ありがとな」
「おぉ」


将弘ってまだ緊張してんだよな…。
家って緊張するものじゃねぇだろ。
2年になってベンチに入った将弘は、学校でも家でも疲れ気味。
制服を脱いで、私服に着替える時に見えた筋肉は、ファーストの俺より多かった。
ピッチャーって体力いるしな。
ベットの枕元にはダンベルがあって、毎日筋トレしてんのかな…。
とか思った。


期待されてるってすげぇけどな。










俺らは小学校も、中学校も、入っていたシニアも同じだった。

北橋の監督から推薦を貰って嬉しかった。
北橋は隣の市の進学校で、野球の名門で有名だった。
頭に自信のない俺にとってスポ薦は嬉しかった。
次の日、将弘もその事を言って、嬉しさは倍増。

そこまでベッタリなわけではないけど、小学校のときからの親友で、すげぇいい奴。



推薦を貰ったはいいけど、
俺らが住んでた所から北橋はかなりの距離。
公立だし寮なんて無い。
その事で散々将弘は悩んでいた。
その事を親に言うとなぜかじぃちゃんまで繋がっていて、俺のじぃちゃんと将弘のじぃちゃんは仲良しで、将弘のじぃちゃんが頼んだらしい。
俺のじぃちゃんは、何も悩まずにそれをOKした。
じぃちゃん達も野球好きだし。



だから入学する前に将弘はこっちに引っ越して来た。






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