レンタルビデオの女
第三話
偶然か、それとも必然か・・・
自分では無意識のうちに通り過ぎた、人や物との小さな出会いがその人の人生を大き
く左右することがある。

これはある一本のレンタルビデオに運命を大きく動かされる一人の青年の物
語・・・・・



その瞬間、達也の全身からストンッと力が抜けた。
彼女がいない・・・。幸田さんが。
レジにも。どこにも。

「おそらくシフトを変わったんだろう・・・。」

達也はそう思い、幸田さんへの告白は次の機会に出直すことにした。
彼女の不在を知り、すっかり肩の力が抜けてしまった達也だったが気分を切り替え、
久しぶりに映画をレンタルすることにした。

1年間の間で習慣になってしまっているのか、達也は今日もまた「例の映画」も一緒
に借りていこうと思った。

が、めずらしく「例の映画」は誰かにレンタルされていた。

それから毎日、達也は春休みに入ったのを利用し、レンタルビデオ屋に通った。
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