初恋ものがたり


「莉李、自分の気持ちが分かったんだから、その想い…ちゃんと伝えた方がいいよ。」


伝えることなんて出来ないよ…


私は弱気になっていた。


「薫の言う通りだよ。それに賢志君…」


「幸江!」


途中で薫が話を止めた。


「あ…えっと…賢志君、きっと待ってると思うよ。莉李の『好き』って言葉。」

幸江は少し間を置いてから、そう言った。



二人が帰った後も、賢志のことや自分の気持ちを、しばらく考えていた。

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