初恋ものがたり
「莉李に早く言わないと…って思ったけど、なかなか言い出せなかった。本当にごめん。」


賢志の辛そうな顔を見ていると、胸がぎゅっと締め付けられた。



もし、私が賢志の立場だったら…


きっと同じように言い出せなかったと思う…。



だから、“どうしてもっと早く言ってくれなかったの?”なんて怒ったり出来なかった。



しばらくの間、ツリーの前で二人向かい合ったまま黙っていた。

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