初恋ものがたり
「これで、安心して卒業できるよな。」


祥がほっとした表情をした。


「春からは高校生かあ…。なんだか実感湧かないなあ…。」


薫の言葉で、私も高校のことを思い浮かべた。


“春になったら…”


「春から、賢志君は遠くの高校か…。もう今みたいに話せなくなるんだね。」


幸江が私の代わりに言ってくれたような気がした。


みんな淋しそうな顔になった。



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