初恋ものがたり
2.幼なじみ
憎めない奴
「へへーん、どうだ莉李!俺、数学98点だったぜ。」
「…だから、それが何なの!?」
自慢気に話す賢志に少しムッとしていた。
賢志はテストとなると、いつも私の点数を聞いていた。
だから、“なんで私の点数を知る必要があるのよ”
毎回そう思った。
「いいだろ?今までだって教えてくれてたじゃん。」
「ったく…仕方ないなあ。そのかわり、静かに見てよね!」
「ありがとなっ。」
そう言って、テスト用紙を見始めた。