初恋ものがたり
「嬉しいよ!ありがと!」

賢志はボールを空に高くかざした。


賢志と私のこの数メートルの距離が果てしなく遠い気がする…


もう戻れないんだね…


前みたいに気軽に話していた頃に…


「俺…そろそろ行くよ。」

グラウンドを出て行こうとしている賢志を、私は見つめていた。



これで、もう賢志と会えなくなる…


最後にちゃんと“好き”って言いたいのに…


「賢志っ!」


私は呼び止めた。
< 219 / 224 >

この作品をシェア

pagetop