初恋ものがたり
「莉李、あんまり遅く歩いていると、遅刻するぞ。
ほら、荷物持ってやるよ。」


賢志は私のカバンも持って、早めに歩きだした。


「大丈夫だよ。急がなくたって。」 


私も賢志を追い掛けて早足になる。


憂鬱なことがある時ほど、案外すぐにその時間が来てしまうこと…


私は思い知らされた。

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