初恋ものがたり
私たちは、教室に向かって歩き始めた。


「久しぶりだよな。会ったの夏休みの中頃…だっけ?」


「うん。それくらい…。」

あの日のことが再び鮮烈によみがえってきた。


「飯野君、一つ…聞いてもいい?」


「ん?」


「えっと…その…飯野君に付き合って下さいって言われた後、私…何か言ったっけ……?」


無意識に小声で聞いた。
< 72 / 224 >

この作品をシェア

pagetop