待ってるよ…ずっと。


「はぁ…はい。」

渋々答えたけど、自分の
スタイルを変えるつもりはない。

「着いたわ。ちょっと待って。
入ってと言ったら入ってね」

そこには2−3と書いてある
プレートが掛かっていた。

「今日は転入生が来てます。」

クラスがうるさくなった。
先生が私を手招きしている。
私はゆっくりドアを開けた。

−ガラガラ−

皆がこっちを一斉に見た。

「自己紹介してくれる?」

坂口先生が笑顔で言ってきた。
私は下を見たまま口を開いた。

「私は、川井優。優しいって
書いてさやって読むから。」

初めての転校だったからこんな
自己紹介もしたことなかった。

「じゃあ、あそこの席に
座ってくれる?」

坂口先生が指した場所は
窓側の1番後ろの机だった。
[ラッキー]
私は黒板から1番遠い席
だった事が嬉しかった。


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